「こんな指があるから悪い」…「旧石器発掘捏造」“ゴッドハンド”と呼ばれた男は、なぜ自らの指をナタで斬り落としたのか
*** この時の取材では藤村氏に話を聞くことは出来なかったが、そこから遡る8年前、2010年に「週刊新潮」は藤村氏にインタビューしている。その最中、藤村氏はポケットに入れていた右手を出し、欠損した中指と人差し指を記者に見せながら、以下のように語っている。 「これは、僕が自分で斬り落としました。7年ほど前、当時の自宅の裏山をフラフラ歩いているうち、突然、“こんな指があるから悪い。2度と悪さができないようにしないと”と思い込んだのだと思う。木の根に右手の2本の指を置いて、左手に持ったナタで一気に叩き斬った」 「物凄く痛くて、血も大量に出ました。タオルや手ぬぐいで自分で血止めをし、しばらくして医者に行きましたが、“血が止まらなければ死んでいたかもしれない”と言われた。その時の僕は、死んでも構わない、と思っていたのかもしれません。右手を見るとあの時の血と痛みを思い出すので、いつもポケットに入れているんです」 一方で、事件の核心については「何も覚えていない」と繰り返すのみだった。 藤村氏は現在、74歳になっている。自らの過去を今、どのように振り返っているのだろうか。
デイリー新潮編集部
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