新NISAで投資初心者にふさわしい新ファンド、三菱UFJアセットがPayPay証券の顧客向けに新開発
新NISAでいかに多くの国民に資産運用に踏み出してもらえるか? 資産運用立国を掲げる政府にとっても大きな課題だが、三菱UFJアセットマネジメントの常務取締役の代田秀雄氏(写真:左)は、9月20日に新規設定した「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」が「重要なピースになり得る」とする。9月25日に同ファンドを販売するPayPay証券代表取締役社長執行役員CEOの番所健児氏(写真:右)とともに共同会見を開催し、新NISAの活性化策等について語りあった。
代田氏は、現在2428万口座になっているNISA口座について、政府目標の2027年12月末の3400万口座を超えて、2030年3月末には4000万口座に拡大する可能性があると見通している。これは、NISAがモデルにした英ISAの国民普及率40%を参考にした見通しで「国内の成人の40%が利用することを想定すると4000万人程度が利用しても不思議ではない。現在よりも約2000万人の上積みが考えられる。これまで動いていない2000万人に投資を広げるには、その方々がこれまで投資に踏み切れなかった障害を取り除く必要がある」と強調した。
その障害の1つが「何を買えばよいのかわからない」というプロダクト(商品)の問題。「ファンド選びに迷わない」、「投資・資産運用は、これ1本で十分と言える商品」、「ファンドのリスクがコントロールされている」など、投資未経験者が安心して投資できる商品の提供が求められ、その解の1つとして三菱UFJアセットマネジメントが開発したのが「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」だという。そして、もう一つの障害である「簡単に投資できる」ための窓口という点で、PayPay証券が展開するモバイルアプリを通じた投資プラットフォームに大きな可能性があるとした。
PayPay証券は、2013年10月設立という比較的新しい証券会社でありながら、QRコード決済サービス『PayPay』ユーザー6500万人を対象としたモバイルアプリに特化した証券サービスを展開し、ポイント運用やPayPayアプリを通じた資産運用で多くの顧客を獲得してきた。特に、新NISAの獲得件数では、2024年1月~6月まで半年の新規NISA口座開設数でトップの証券会社の67万口座、第2位の37万口座に次いで、PayPay証券は第3位の23万口座に食い込んだ(PayPay証券調べ)。番所氏は「先輩のネット証券に割り込んで第3極を作ることができた手応えがある」と語る。新NISAの新設口座の95%は、NISA口座を開設したのはPayPay証券が初めてという投資初心者だった。