50歳からの暮らしを楽しむためのヒント。エッセイスト・松浦弥太郎「過去の経験にしがみつくのではなく、『ちょっと役立てる』程度の感覚で活かす」
50歳になり、「これからどうやって生きていこう…」「仕事や人生に疲れを感じている…」など、これからの人生に不安や焦りを感じている方もいるのではないでしょうか。エッセイストの松浦弥太郎さんは、50歳からの人生のコンセプトを「おもしろく、楽しく、好きなように」と決め、10歳の少年のように無邪気に生きることを理想としているそう。そこで今回は、松浦さんの著書『50歳からはこんなふうに』より、これからの人生をおもしろく・楽しく生きるためのヒントを一部ご紹介します。 【書影】50歳からの人生を「おもしろく・楽しく」生きるための47のヒント。松浦弥太郎『50歳からはこんなふうに』 * * * * * * * ◆軽やかに、過去を手放す 人生の物語を「前編」と「後編」に分けるとすれば、後編は「前編の続き」という位置づけになります。 前編のすじを引き継いで、後編の物語が描かれるというのがふつうなのかもしれません。 でも、僕はあえて前編とは切り離したまったくあたらしい物語を描いていきたい。 過去の経験や実績と呼ばれるもの、他者から期待され評価されてきた役割とは切り離した、まっさらな構想から生まれるシナリオを描いていきたいのです。
◆『暮しの手帖』編集長という肩書き 僕の場合、これまでやってきた仕事の中では、9年続けた『暮しの手帖』編集長という肩書きを知ってくださる方が多いようです。 辞めてだいぶ年数が経った今でも「メディアや雑誌をつくってくれませんか」というリクエストをいただけるのは、素直にありがたいことだなと思います。思いながらも、そうしたオファーはあたらしい試み以外丁重にお断りしています。 はじめて出会った人への自己紹介や、人前でお話しする場面で、自分から「元『暮しの手帖』編集長です」と名乗ることもありません。 なぜなら、僕はできるだけ「過去の自分」に頼りたくないからです。
◆「過去の自分」に頼りたくない理由 ストイックな生き方を決め込んでいるわけではなく、ただシンプルに「これまで経験したことがない、もっとあたらしいことにチャレンジしたい」という好奇心によるものです。 過去の自分を頼りにする生き方をしていると、あたらしい出会いやお誘いにはなかなか巡り会わなくなるでしょう。 自分にとって簡単なことしかやらなくなってしまうし、そういう取り組みの繰り返しは退屈でしかありません。 そんな日常を想像するだけで「つまらないな」と感じてしまうのです。
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