Rマニア、GT-Rのルーツともいえる プリンス スカイラインを入手!|松田次生のエンジョイハコスカライフ【第6話】
根っからのスカイライン党で、無類の旧車好きとして知られる松田次生さん。スーパーGTでは、23番のニスモGT-Rをドライブし、GT500を戦うトップレーサーだ。しかも、歴代GT-Rを所有するRマニアとしても有名で、そのコレクションに新たにプリンス スカイライン2000GT-Aが加わった。 【画像24枚】激戦のスーパーGTのGT500をGT-Rで戦う松田次生さんにとって、その原点ともいえるプリンス スカイライン2000GT 【松田次生のエンジョイハコスカライフ06】 激戦のスーパーGTのGT500をGT-Rで戦う松田次生さんにとって、その原点ともいえるプリンス スカイライン2000GTは特別な思い入れがあるクルマ。というのも、日本におけるレースシーンにおいて数々のスカG伝説を生み出したのは、この2代目スカイラインからだ。1964年5月に鈴鹿サーキットで開催された「第2回日本グランプリ」にプリンス自動車工業が送り込んだS54スカイライン(S54A‐1)が、純然たるレーシングカーであるポルシェ904を追い抜いたのが始まりだ。武骨な国産セダンがスタイリッシュな海外のスポーツカーを追い回す。そんなセンセーショナルな光景は、サーキットに駆けつけたギャラリーを熱狂させた。S54はまさに「羊の皮を被った狼」と呼ぶにふさわしい速さを備えていたのだ。その栄光は現代にまで引き継がれ、松田さんはGT-Rのステアリングを握り、スーパーGTを戦っている。プリンス時代に生み出されたS54は、まさに自身のレース生活における原点ともいうべき存在ともいえる。 そうした背景もあり、ずっと所有したいという思いを胸に秘めていたのだが、入手するには至っていなかった。しかし、昨年の年末に日産プリンス長野にS54Aがあることを偶然インターネットで知り、購入に踏み切った。
パット見は同じに見えるS54AとS54Bの違いとは?
「実は、S54Bスカイラインを狙っていたんですけど、中古車市場にほとんど流通していないうえに、とても高価で手が届きませんでした。今回、購入したのはシングルキャブ仕様のS54Aの3型です」と話す松田さん。 パッと見は同じように見えるS54AとS54B。搭載されるエンジンはどちらも直列6気筒のG7型ユニットだが、S54Aはシングルキャブで最高出力105㎰なのに対し、S54Bはウエーバーキャブを3連装し、圧縮比を高める改良などにより125㎰を発揮する。また、リアのワイドフェンダー化、オプションの5速MTが標準装備となるなど、s54Bはより高性能化されたスポーツモデルとなっていた。 そんなS54のスタンダード仕様となるS54Aを手に入れるべく、正月早々に長野の日産ディーラーに出向き、現車をチェック。これならいいかなと購入に踏み切ったという。 「前のオーナーの方が大切に乗られていたようで、ボディや機関系の状態がとてもよく、普通ならもっと高値でもおかしくないのを幸運にも入手できました」と満面の笑顔の松田さん。
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