大阪府・吉村知事が定例会見10月27日(全文3完)反対多数なら二重行政に戻る
ほかの政令市や大都市に与える影響は
産経新聞:すいません、もう1点。賛成多数になった場合に、ほかの日本国内の政令市や大都市に与える影響について教えてください。 吉村:それぞれ多かれ少なかれ、大都市、政令市と道府県は二重行政があります。これはもうみんな認識してると思います。二重行政をなくすために協議してるとかいろいろ言ったりはすると思うんですけれども、二重行政そのものがないと断定するところはほぼないと思います。やっぱりあるんですよ、政令市と。大なり小なりありますよ。都市性が大きいところ、範囲が狭いエリア、特に大阪なんかがその典型ですけど、二重行政が顕著に出るし、都市性がそれほどなくて人口、政令指定都市って人口50万要件だけですからね、一言で言うと。だから人口もそれほどなくて、都市性もそれほどないと、そして範囲も非常に広いところであれば、そんなに二重行政も出ないというところもあるとは思います。 だから多かれ少なかれ差はあると思いますが、やはり二重行政の問題というのは政令市制を取る限り、これは必ず出てきます。なので、この大阪都構想を実現することによって、じゃあこの二重行政の在り方をどうするの? 政令市の在り方をどうするの? そういう議論は、僕は出てくると思います。 もう1つは、都区制度においても、東京の都区制度より大阪の都区制度のほうが、特別区のいわゆる住民の身近な権限、これをかなり強化してますから、東京の都区制度も今のままでいいのかという議論が出てくると思います。そういった意味では日本における大都市制度に大きく影響を与えるのが今回の大阪都構想だというふうに思っています。
自ら都市の在り方を考える先行事例になる
特別自治をしたいという、横浜なんかもそういう意向があるみたいですけど、それも本気で取り組まれるのかどうか。これはそうなると、口で言うのは簡単なんですけど、問題の認識も把握しているし、口で言うのは簡単なんですけど、それを実行するというのはものすごく大変なのは、今、この都構想の経緯を知っている皆さんだったらもう分かると思うのであえて何度も言わないですけども、本気で取り組むかどうかはちょっと分かりませんが、そこまで腹くくる政治家であったり政治集団が出てくるかはちょっと疑問な点はありますが、ただ問題点はやっぱり浮き彫りになってくるだろうなというふうに思います。 もともとやっぱり政令市制度というのも、特別市を目指す中で、その特別市っていうのが認められず、妥協の産物として生まれたのが政令で指定する都市、政令指定都市制度ですから、もともとの出発点からやっぱりこういう二重行政が生じちゃうという前提がやっぱりあったと。それが顕著になったのがこの大阪だというふうに思っています。で、本気で解決しようとしているのも大阪だと。 もしこれが実現できれば、それは民主的な手続きでこういうこともできるんだよねということになれば、ほかの都市も、じゃあどうやったら都市の力が発揮できるだろうかという視点から、自らの都市の在り方を考える、非常に先行事例になるだろうと思います。ひいては、それは日本にとってもプラスだと思います。日本の国力を高めていく上でも大都市部が成長するというの非常に重要なことなので、これが先行事例になって、それぞれの都市がそれぞれの個性を持って成長できる役所の在り方をぜひ検証するきっかけになればなと思います。 幹事社:読売新聞さん。