オリックス岸田護監督、新シーズンへの誓い「守り勝っていく」 昨季5位から巻き返し期す
昨季はパ・リーグ4連覇を逃し、5位に沈んだオリックス。昨年秋に就任した岸田護監督は「当然、守り勝っていく野球になる」と力を込める。2005年に近鉄と合併して現球団となって以降、初となる生え抜きの指揮官にかかる期待は大きい。 【写真】オリックス・岸田護監督、4番固定へ「日替わりってことはない」 昨年はBクラスに甘んじたとはいえ、投手陣はリーグ2位の防御率2・82と安定感が光った。山本由伸(ドジャース)が抜けた穴は大きかったが、宮城大弥(ひろや)を筆頭に、多くの投手が存在感を発揮した。岸田監督は長く投手コーチを務め、昨季は途中に2軍から1軍に配置転換されていただけに、間近で見て、能力の高さは十分に理解している。 広島から海外フリーエージェント(FA)権を行使した九里亜蓮を獲得し、特に先発陣は厚みを増した。23年の新人王、山下舜平大(しゅんぺいた)は故障に悩まされた昨季からの完全復活を期し、3年目左腕の曽谷龍平は計算できる主力になりつつある。岸田監督も「(山下と曽谷は)ケガなく投げられたら(タイトル獲得の)可能性はある」と飛躍を期待している。 球団では前身の阪急時代の梶本隆夫監督以来、45年ぶりの投手出身の指揮官にとって、課題となるのは攻撃面だ。昨年のチーム打率2割3分8厘、402得点はともにリーグ5位。ドラフト1位の麦谷祐介(富士大)に即戦力の外野手としての期待がかかるが、頓宮(とんぐう)裕真や杉本裕太郎といった、かつてのタイトルホルダーの復活は欠かせない。 指揮官も「実力のある選手が多い。(23年まで)3連覇しているし、すでに強いチーム」と個々の能力を信じているだけに、自身の采配が勝利の鍵を握ることも理解している。 リーグを制覇したソフトバンクとの差は「大きく感じている」と言いながらも「力はあると思うので、それを最大限に引き出せればおのずと(直接対決でも)連勝できる」と強調する。3連覇を果たした中嶋聡前監督は、悪い意味での「慣れ」を指摘してチームを去った。岸田監督は「気持ちが前面に出て、モチベーション高く、勝ちに向かっていくことを目指す」と決意表明した。オリックス一筋で過ごしてきた43歳が、覚悟と責任を持ってチームの先頭に立つ。(大石豊佳)