通信障害「防げたと思うし、防がねばならなかった」KDDI会見7月29日(全文1)
通信大手KDDIは29日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「KDDI、大規模通信障害で3589万人に「おわび返金」 高橋社長が会見(2022年7月29日)」に対応しております。 【動画】KDDI、大規模通信障害で3589万人に「おわび返金」 高橋社長が会見(2022年7月29日) ◇ ◇
ご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます
司会:それでは、ただ今よりKDDI株式会社の7月2日に発生した通信障害に関する説明を始めさせていただきます。本日は会場とインターネット配信の両方で実施させていただきます。なお、本日の資料につきましてはKDDIのウェブサイトに掲載しております。本日の登壇者をご紹介いたします。代表取締役社長、高橋誠。 高橋:よろしくお願いします。 司会:取締役執行役員専務、吉村和幸。 吉村:よろしくお願いします。 司会:以上の2名となります。申し遅れましたが、私、本日の司会進行を務めますKDDI広報部の名古路と申します。よろしくお願いいたします。それでは社長の高橋よりご説明をさせていただきます。 高橋:本日は、お忙しい中お集まりいただきまして申し訳ございません。2022年7月2日土曜日1時35分より、長時間にわたり当社の通信サービスをご利用の全国のお客さまに多大なご不便、ご迷惑をお掛けいたしましたことを深くおわび申し上げます。社会インフラを支え、安定したサービスを提供しなければいけない通信事業者として、今回のような事象を発生させてしまいまして、重く受け止めております。再発防止策の徹底を図りまして、サービスの安定的な運用に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。それではこののち、そちらのほうでご説明をさせていただきます。
影響時間は7月2日1時35分から4日15時まで
それではまず最初に通信障害の概要からご説明をさせていただきます。長時間にわたりまして全国のお客さまに影響がございました。影響時間につきましては7月2日土曜日午前1時35分から7月4日月曜日15時まで。トータルで61時間25分でした。影響規模につきましては、音声が約2278万人、データにつきましては765万人以上でございました。今回の通信障害ではスマートフォンやIoTをご利用いただいている物流、自動車、行政サービス、銀行、交通と、広く産業界に波及、生活インフラに影響を及ぼしました。再発防止策の徹底、サービスの安定的な運用に加えて、新たな利用シーンやサービス影響を把握し、適時適切な情報をお届けする手法を確立しまして、今回の課題をしっかりと踏まえてまいります。 続きまして通信障害発生から復旧までの時間軸での概要でございます。3日間にわたりましてメンテナンス作業を起因に発生した障害が波及いたしまして、大規模、長期化になりました。まず7月2日、メンテナンス作業におきまして、ルーターの経路の誤設定によりまして約15分間、通信断を発生いたしました。作業の切り戻しを行うも、位置登録要求の再送が大量に発生いたしました。音声サービスのVoLTE交換機、これは音声系の交換機でございますけれども、これの輻輳、そしてお客さまの認証を行う加入者データベースの輻輳、および加入者データベースのデータ不一致が連鎖的に発生いたしまして通信がしづらい状況が継続いたしました。設備への負荷軽減を目的にトラフィックの流量制御、およびデータ不一致修正、これを実施するものの、負荷が十分に軽減されない状況が継続しました。 7月4日、不要な過剰信号送出の原因となりましたVoLTE交換機を特定いたしまして、切り離しを実施いたしました。その結果、音声通話、データ通信とも前週比同等まで回復していることを確認いたしました。 本障害の全体像でございます。経路の誤設定による通信断から位置登録要求信号が大量に発生いたしまして、全国のVoLTE交換機と加入者データベースが輻輳状態に至りました。図の左側から見てまいりますと、1番目に、ここのルーター作業によりまして、通信断がここで発生いたしております。で、1番目、このVoLTE交換機の輻輳が発生いたしました。これに引きずられる形で加入者データベースの輻輳が発生し、VoLTE交換機の、最終的には切り離しを行って回復すると、このような流れになってございます。