わが友人、ホームレス、テントに暮らす荒川の釣り名人。奇跡が起きることを祈っている
高級自転車に乗り、ニュースに詳しいホームレス
桂さんが最も誇りに思っているのは、数十万円するという北欧製のスポーツレース用自転車(上の写真にある)だ。この高級自転車は、買い物に出かけたり、彩湖公園でサイクリングをしたり、友達に会いに行ったりするときにしか使われない。 この自転車はあまりにも桂さんの点数を上げてくれるので、その所有者がホームレスだとは誰も思わないようだ。この自転車を押して可愛い女性に話しかけると、相手は大体笑顔で迎えてくれるのだという。 この豪華な自転車のほかに、アルミ缶を運ぶための普通の自転車もある。 桂さんは国内外の大きなニュースにも関心を持っており、まさに「荒川のほとりにいて、心が全世界につながっている」といえる。 彼と話をしているうちに、世界で最近起きた重要な事件について多く知っていることに気づいた。テレビもなく、新聞も購読せず、パソコンや携帯電話も使わず、どこから情報を得ているのか不思議だと思って彼に聞いた。 桂さんはラジオのニュース番組を毎日聞き続けているほか、仕事や買い物に出かけたときにテレビや新聞を見つけると、立ち止まって見たり読んだりすると教えてくれた。 また、桂さんは人と話すのが好きで、それによっても多くの情報を得ることができている。 桂さんは普段、音楽を聴くのが趣味だ。特にテレサ・テンの歌は、毎日聴いても飽きないくらい大好きで、よく夜中に起きて聴いているという。 テレサ・テンの中国語の代表曲は「何日君再来」(「いつまた会えるのだろうか」という意味)。桂さんはその曲が大好きなので、私はそれを「何日桂兄再回来」(いつ桂兄さんに再会できるのだろうか)という祈りの言葉に換えて、桂さんに伝えたい。 趙海成(チャオ・ハイチェン) (編集協力:中川弘子)