1万円台で大満足! 食のプロが通うハイレベルでリーズナブルな店 3選
食のプロが日ごろから通う店は? イタリアンや肉好きも大満足のレストランから、食事を楽しむ人にぴったりのワインバーなど、1万円台で楽しめるおすすめ店をご紹介。 Photos : SHINTARO OKI, SATOSHI FUKUDA Text : TOMOKO KAWAI , YUMIKO ONO
「ダ オルモ」@神谷町
「マニア以外も安心して誘え、コアなイタリア好きも大満足!」 推薦・文/佐々木 ケイさん 胸を張って「通う店」と言える店は、実はとても少ない。年々少なくなる。仕事柄、新しい店に行く機会が多く、友人たちとの会食ではだいたい「今、話題の店」を求められる。東京に魅力的な店はあまたあり、年々増え続け、結果、一軒一軒の店との付き合いが希薄になってしまう。でも「ダ オルモ」にはよく行っている。 今年で12周年、百貨店のイタリア催事やワインの生産者イベントでも引っ張りだこの、イタリアン好きには知られたベテランだ。それでも「なぜかご縁がなくて」「もう数年行っていない」という友人はいる(私にもそういう店がたくさんある)。となれば、予約は決まり。いつ行っても満足できる、私にとっては安定と信頼のブランドだからだ。 前菜の盛り合わせとパスタで、軽くワインバーのように楽しむことも。「前菜の盛り合わせ」¥2,860
北村征博シェフの修業先、北イタリアを中心とした郷土料理は、派手さはないけれどしみじみとおいしく飽きが来ない。伝統料理ってそういうもの、と再認識させてくれる。 一方で、マネージャーの原品真一さんが選ぶイタリア各地のナチュラルワインは、今やきら星のような人気生産者のバックヴィンテージから最新の造り手までをカバーしていて、毎回、ワイン経験値が上書きされる。 「京中熟成豚の炭火焼き季節野菜のソテー添え」。「京中」は熟成肉の先駆「京都中勢以」のこと。夜のコース(¥7,700)の一品。
思い返せば店がオープンした頃は、店の看板の粒状のパスタ・ラサや川魚料理も、イタリアのナチュラルワインも今ほどポピュラーじゃなかった。それを12年かけて、東京の食いしん坊の「当たり前の選択肢」にしたのはすごいこと。「当たり前」というのは、いつもにぎわっているけれど、余裕をもって問い合わせれば必ず予約が出来るし、ディナーコースは7700円から「美食命」なマニア以外も安心して誘えて、コアなイタリア料理、ワイン好きをも充分に楽しませてくれる。 食のライターとしてはまだまだ貪欲にいろんな店に出かけたいと思う。同時に一食べ手として、気心の知れた友人宅のようにくつろげる「ダ オルモ」があることを幸せに思う。 「スパゲッティトマトソース」¥1,980