飲むなら知っておきたい!種類別・お酒の適量とは?
健康を考えるなら、飲まないほうがいい。そうはわかっていても、お酒の楽しみを捨てたくない人へ、「酒好き」で知られる肝臓専門医の浅部伸一先生が、健康を考えた上手な飲み方をアドバイス。知っておきたいお酒の適量、先生おすすめのおつまみや、“シメ”についても教えてもらいました! 手土産に!3000円台から買える「ナチュラルワイン」6選(写真)
「酒は百薬の長」は誤り? 飲酒による健康への影響とは
――「酒は百薬の長」という言葉があるように、適量のお酒は健康にいいというイメージがありますが、最近の研究では、「健康のためにはお酒は一滴も飲まないほうがいい」ということがわかってきているそう。実際のところを浅部先生に聞きました。 浅部先生:これまでの研究では、お酒を少し飲む人のほうが死亡率が下がる、というデータが確かにありました。実際、アルコールには、血管を広げる作用やリラクゼーションの効果があり、血管の詰まりやストレスが原因となる心筋梗塞のリスクを下げることがわかっています。しかし近年では、食事療法や薬での予防が可能になり、心筋梗塞は以前ほど死亡率の高い病気ではなくなってきています。 一方、新たに注目されるようになったのが、がんです。平均寿命がのびている今、がんは非常に身近な病気となっています。お酒は本当にわずかではありますが、がんの発病リスクを高めることがわかっていて、現在は、「健康のためには、一滴も飲まないほうがいい」という考えが主流になっています。アルコールを分解する臓器である肝臓のほかにも、アルコール度数の高い強いお酒を好む人に多いのが、咽頭や食道のがん。また、乳がんなど婦人科系のがんは、若い女性にも増えています。 とくに肝臓と膵臓は、アルコールの影響を受けやすく、お酒を飲む人は、がんだけでなく脂肪肝や肝硬変、急性膵炎などにも注意が必要です。肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、初期症状がほとんどないため、定期的な検診が重要になります。 お酒を飲む楽しみは、健康な体があってこそ。血圧や臓器に悪い影響が出ていないか、意識的に健康診断や定期検診を受けるようにしましょう。