民間企業の平均給与が「460万円」になったそうですが、まわりにそのような人がおらず、私自身も「300万円」の年収です。平均とは何なのでしょうか…。
平均給与が自分の給与よりも高く、周りにもそこまで年収が高い人がいないと、平均とは何を指すのか疑問に感じるのではないでしょうか。この記事では、給与の平均値と中央値を解説し、平均年収に違いが生まれる理由を説明します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
年収の平均額は?
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、1年を通じて勤務した給与所得者(5078万人)の平均給与は458万円、そのうち男性563万円、女性314万円と報告されています。 しかし、給与階級別分布では「300万円超400万円以下」が約840万人(16.5%)と最も割合が高く、次いで「400万円超500万円以下」が約779万人(15.3%)、「200万円超~300万円以下」が約718万人(14.1%)という結果でした。 年収が400万円以下である人の割合は、およそ2599万人(51.1%)と半分以上を占めており、平均458万円に到達していない人の方が割合的には多くなります。 さらに雇用形態で比べてみると、正社員(正職員)であれば約523万円ですが、正社員(正職員)以外は約200万円と、約323万円もの差があります。このように属性などで分類すると、平均年収には大きな差があることが分かりました。
年収の中央値とは?
「平均」は統計ではよく使われていますが、「外れ値」と呼ばれる、極端に大きい、または小さな値もそのまま含んで計算されます。身長の分布など、正規分布のデータに近い場合には適しているとされていますが、外れ値の幅が広くて多い場合は外れ値の影響を受けてしまいます。 例えば、100人中99人が年収300万円であっても、年収1億円の人1人がいれば、平均年収は397万円となってしまうのです。 一方、年収など桁外れな金額が含まれても影響を受けにくい集計方法が「中央値」です。中央値とは、数値を順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する値を指します。年収のような社会現象のデータは偏りが大きい傾向があるため、中央値を使うケースが多いでしょう。