登校率8割、公立「学びの多様化学校」の独自教育 玖珠町の挑戦「誰もが安心して通える学校を」
「平均登校率8割」、全国から入学希望の相談も
新しい学校で子どもたちは何を感じ、どう変化しているのだろうか。 「4月当初、子どもたちはそれぞれ緊張感や不安、夢と希望を抱いていたと思いますが、表情が変わりましたね。子どもの平均登校率は約8割で、中には去年の同時期に100日以上休んでいたのに今年は欠席が0日という子も何人かいます。ある保護者の方は、お子さんが『学校に行くのが楽しい。多様化学校の先生は笑顔で楽しそうに働いている。それを見て私も学校に行けるんよ』と言っていたと教えてくれました」(小原氏) 開校したばかりだが、すでに全国から入学希望の相談が30件ほどあるという。今後について、小原氏はこう語る。 「1学期は授業の進め方1つ取っても、走りながら考えているところがあり、そこから見えた課題や成果を踏まえ、教職員は夏休みに集中して研修に取り組みました。今年度の充実と次年度以降を見据え、体制や学びをブラッシュアップしていきたいと思います」(小原氏) 今、悩んでいる子どもたちを救いたい。そんな強い思いから、走りながら学校づくりを進めてきた玖珠町立学びの多様化学校。その歴史はまだ始まったばかりだ。 (文:吉田渓、注記のない写真:玖珠町教育委会提供)
東洋経済education × ICT編集部