「宣言」解除後、愛知県の「あいスタ」認証店は午後9時まで営業許可へ
政府が「緊急事態宣言」を9月末で全面的に解除する決定をしたことを受け、愛知県は10月1日から17日まで、独自の「厳重警戒宣言」に移行する。飲食店などへの営業時短要請は、感染対策を施したと県が認める「ニューあいちスタンダード(あいスタ)」認証店が午後9時まで、その他の店は午後8時までとする。酒類の提供は認証店が午後8時まで、その他の店が午後7時半まで。
認証作業「人員増強し、一気にやる」
愛知県の大村秀章知事が9月28日、県庁で臨時会見を開いて発表した。「あいスタ」は愛知県内の全飲食店など約4万店舗のうち約2万店舗から申請があるが、同日時点で認証されているのは約1万店舗にとどまる。大村知事は「(認証作業を行う)人員を増強し、一気に認証を進めていきたい。今週中には(既に申請が出されている)約2万店舗の認証はやる」と強調した。それ以降に出された申請については週をまたぐ可能性もあるが、認証作業を急ぐという。 緊急事態宣言中に求めていた「県をまたぐ不要不急の移動自粛」などは緩和するが、県をまたぐ際は「基本的な感染防止対策を徹底するとともに、ワクチン接種を完了していないなどリスクの高い人はPCR検査などを受けて」と呼びかけた。
実証実験の音楽イベント、年内にも
イベントは5000人だった人数上限を1万人までとする。この上限引き上げは10月末までの1カ月間の経過措置として行うもので、問題がなければさらに人数制限の緩和を検討する。 また、県は国が行動制限緩和に向けて行う実証実験の対象地に名乗りを上げている。既に1万人規模の音楽イベントや800人規模のライブハウスの事業者などから申請があり、国に採択されれば県の監視下で年内にも実験的に開催する方針だという。 学校教育については引き続き、寮生活や部活動など集団行動での対策を徹底し、修学旅行などの校外行事も感染防止対策を徹底した上で適切に実施するよう、各学校や教育委員会などに求める。 大村知事は「今ぐっと下がってきている新規の陽性者数や入院者数を落とし切った上で、感染症が流行りやすい秋冬に備えていきたい」と述べた。 一連の対策は、9月29日夜に開く県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、医療関係者らの意見を聞いて正式に決定する。 (関口威人/nameken)