名古屋の2万円ポイント還元「時間かかる」 河村市長定例会見
名古屋市の河村たかし市長は27日、市役所で定例記者会見に臨んだ。4月の市長選挙で公約に掲げた1人当たり最大2万円分のポイント還元事業について、「財源はある」とした上で「丁寧な仕組みで失敗のないようにしたい。『できるだけ早(はよ)うやって』と(市の担当部局に)言っているが、時間はかかる。(実際の還元事業がスタートできるのは)来年度からではないか」と述べた。
財源など調整中も「必ずやる」と強調
ポイント還元は、市長選の対立候補が掲げた商品券配布の公約に対し、河村市長が追加の公約として打ち出した。選挙戦の大きな争点の一つとなり、結果的に河村市長が4期目の当選を決めた。 電子決済時にポイント還元する方式を採用し、4年間で総額200億円規模の予算を想定。市外の人が市内で買い物をしてもポイントを得られるが、「市内の商店の売り上げが増えればいい」などと主張していた。 しかし、今月開会した市議会9月定例会には関連議案が提出されず、市議の質問に対して、市当局が「財源を生み出すことは大変難しい課題。現時点で具体的な方策を想定していない」と答弁。「財源はない」とする報道もあって、実現が疑問視されている。 一方、河村市長は会見で「まだカチッと断定はできていないが、予算編成の作業は始まったところ。アフターコロナの大事な政策で、必ずやりとげる」と強調。何らかの基金を取り崩すことも選択肢に入れ、11月定例会への議案提出に意欲を示した。
リコール正規署名数、検察主張「あり得ない」
愛知県の大村秀章知事に対する解職請求(リコール)運動で地方自治法違反(署名偽造)の罪に問われた運動団体事務局長、田中孝博被告の初公判が24日に開かれたことについて、市長自身の関与は「なかった」とあらためて否定した。 検察側は冒頭陳述で、田中被告が「(署名を偽造しても)リコールが成立しなければ署名簿も戻ってくるので、すぐに廃棄すればばれない」などと漏らしていたと指摘した。これに対して、河村市長は「僕は名簿を残そうと(田中被告にも)言っていた」と定例会見の中で主張。このことが、自身が偽造に関わっていないことの証明になるとしている。 「(運動の折り返し点である)昨年9月30日時点で、(最終的に86万筆必要な)正規の署名は6073筆しか集まっていなかった」との検察側の指摘には「僕の感覚でそれはあり得ない」と反論。「運動が始まった時点で(署名集めを担う)受任者がネットで2万人はいて、そのうち半分は愛知県の人だという話だった。受任者が1人の署名を集めても1万人になるので(正規の署名は)もっとあったはずだ」と述べた。 その上で、田中被告に事務局長を任せた責任については「僕だけが任せたというものでもない」と言葉を濁した。 (関口威人/nameken)