「結婚に対する思いが現実的に」岡田将生×高畑充希が夫婦役を演じた初共演ドラマ『1122』インタビューで明かしていた思い
好きって何なんだろう
美月とは心でも繋がっているのだとしたら、二也にとって不倫相手である美月と過ごす時間と妻である一子と過ごす時間にはどのような違いがあったのでしょうか。 岡田―二也と美月さんのあいだに、一子ちゃんでは埋められないような決定的な何かがあったわけではなくて、本質的には一子ちゃんと礼くんの関係と同じなのだと思います。だからこそ、二也がこれ以上はダメだと自分で気がつくというか。美月さんに家族の問題を相談されるのはちょっと重たい、とか二也自身も感じていますから。 二也は一貫して一子ちゃんのことが一番大切で、2人で過ごしている空間自体がすごく好きなんだと思うんです。だけど、二也はその空間の大切さにそこまで自覚的でなくて、その空間に美月さんと会う時間を侵食させてしまった。そこが二也の良くなかったところだと僕は思います。そうして、美月さんと心の繋がりが生まれてしまって、関係がこじれていきました。 好きって何なんだろう、ということを、撮影中はすごく考えていました。何をもって好きなのか、というのは二也自身も悩み続けていたことなのだと思います。
一緒に生活を続けることの難しさ
この撮影を通して、好きという感情とか、夫婦のあり方とか、そういったものに対する考え方に変化はありましたか。 高畑―10代のときは、周りのカップルとか自分も含めて「好き好き大好き。一緒にいたい。付き合う」みたいな感じでしたけど、生活をともにするにあたってはそう簡単にはいかないんだな、と感じています。意見交換をして、考えを擦り合わせて、お互いに妥協し合い、支え合い、いろいろな関係になりながら、それでも2人でいることを選択し続けている、というのはすごいことです。結婚に対する思いを良い意味で現実的なものにしてくれました。 岡田―僕は一子ちゃんと二也がご飯を食べているシーンが本当に好きでした。今日あった出来事についてお互いに話しながらご飯を食べる。とても当たり前のことですけど、生きているな、という感じがすごくしました。そういう何気ない時間が1日の支えになっていて、相手のことをより深く知ることにも繋がるのだな、と実感しました。ああいった空間を作れるような人でありたいですね。 * 完成披露宴でも岡田は「共感性の高いドラマです。二組の夫婦を見て、いい夫婦とはどんなものなのかと考えてみてほしい」とアピールしていた。高畑も「原作に出会ったのは20代中盤の頃で、年月を経て配信ドラマが始まることに感慨があります。今できる最良を全員で持ち合わせて完成しました。重量感と満足感のある作品で流し見は出来ないと思います。見ると人との向き合い方に対する考えも変わるはず」と呼びかけた。 それぞれが置かれている状況によって、感じ方や見方が大きく変わるであろう本作。近くて遠い他者との距離のはかり方について、少なからずの示唆を与えてくれるはずだ。
現代ビジネス編集部