「結婚に対する思いが現実的に」岡田将生×高畑充希が夫婦役を演じた初共演ドラマ『1122』インタビューで明かしていた思い
夫によっては得られなかったもの
女性用風俗のセラピストの礼と過ごす時間は一子にとってどのようなものだったとお考えですか。そこにはやはり、二也によっては得ることのできない何かがあったのでしょうか。 高畑―礼くんには多分恋愛感情はなくて、ただ自分が女であることを許してもらえる存在として見ていたのではないか、と思います。二也とは仲良くなりすぎて、女でいることに対しての恥ずかしさとか、そんな自分を見られたくないという気持ちとか、そういうものが出てきていたと思うんです。 礼くんは一子の前にポッと現れた人で、仕事だからちゃんと女の子扱いをしてくれて、自分の性的な面を見てくれて「自分ってまだ女でいていいんだな」と思わせてくれるような存在だったと思います。まさにセラピーですよね。だから本当にドライですけど、一子は礼くんに対して何か特別な感情は持っていなかったんだと思います。 岡田―ひどいね…… 高畑―でも、だからお金を払っていたんだと思う。 岡田―そっか…… 高畑―もちろん、礼くんのことは好きだったとは思うんですけど、話を聞いてくれて承認欲求を満たしてくれるような、あくまでそういう存在だったのだと思います。 「女の人の恋は上書き保存」とよく言いますけど、女性は恋愛感情を持てる男性の枠が1個しかない一方で、男性は同時進行で複数人を恋愛対象として見られる人が多いような、そういう傾向がある気がしています。 女の人は別の誰かを恋愛対象として見はじめたら、もともと恋愛対象としていた人には一切興味が無くなってしまうドライさがあって、それが男性からしたら「怖い」と思う部分なのではないでしょうか。一子がパートナーとして見ているのは二也だけなので、礼くんに対してはそれとは全く異なる目線を向けていたと思います。猫カフェに行って癒される、みたいな……。 懐いてくれる猫がいる猫カフェに行って、この猫は自分のことを求めてくれるから嬉しい、みたいな一子が感じていたのはそういうありがたさだと思います。 岡田―そう思うと、美月さんに対してそこまで割り切れてはいない二也の方が罪だよね。二也と美月さんの関係は身体だけなのか、と言われるとちょっと違っていて、心の繋がりが少しずつ深くなっていくなかで揺らいでしまう。そういった意味では二也は、男としてだらしがないポイントがすごく多いと思います。 高畑―一子が婚外恋愛を許可している以上、仕方がないとは思うんですけど、逆に本当に肉体関係だけの方がまだいいな、と個人的には思います。二也が美月さんに空の写真を送る描写があるんですけど、そうやって「今日はいい天気だね」とかお互いの心を癒し合って補い合う存在にまで美月さんがなっているのだとしたら、私は一子ほど冷静には見ていられない気がしています。