「子どもお年寄りも安心」 “蒸気出ない”電気ケトル 9月1日発売 タイガー
タイガー魔法瓶は31日、独自技術で蒸気が出ない「蒸気レス電気ケトル」2シリーズを9月1日から発売すると発表した。約57秒のスピード沸騰とともに、新安全基準に適合する転倒お湯漏れ防止機能も備える。飲み物や用途に合わせて6段階の温度調節が可能なモデルも用意した。市場想定価格は税込み7480円から。 【関連写真】ふた内部の蒸気を冷却する独自構造 発売する蒸気レス電気ケトルPCV-A型とPTV-A型は、独自技術で沸騰時の蒸気を本体の外に出さない新構造を採用した。蒸気の出口を1つにしたことでいち早く蒸気を検知、電源をオフにするため余計な蒸気がでない。加えて、ふた内部には「蒸気キャッチャー」と呼ぶ蛇行した冷却経路を設け、そこを通過する間に蒸気が消滅するようにしている。 企画第1チーム山﨑文恵電気ケトル担当は「小さな子どももお年寄りも安心して使える。蒸気レスは安全だけでなく置き場所を選ばない」と話す。沸騰までのスピードも速く、カップ1杯分(約140ミリリットル)であれば約57秒で沸かすことができる。 PTV-A型には温度調節機能を搭載。50度から100度まで6段階に温度をダイヤル調節できる。飲み物や用途に合わせて温度調節しやすい。 タイガーのケトル全モデルに搭載している転倒お湯漏れ防止機能は、倒れると注ぎ口が上に来るよう設計されるとともに、本体の重量バランスと容量設計により、倒れても水が漏れない構造になっている。蒸気の出口が1つになっているため、取っ手部分などからも水漏れしない。PCV-A型は0.6~1.2リットルの4機種、PTV-A型は0.8リットルと1.2リットルの2機種をラインアップする。 電気ケトルによる子どものやけど事故が減らない中、安全対策の必要性が叫ばれてきた。NPO法人SafeKidsJapan理事長で緑園こどもクリニック院長の山中龍宏氏は「子どもの電気ケトルのやけどは続いている。子どものやけどを防ぐには、湯漏れ防止機能を製品に搭載したり法律で規制したりする必要があると考えている」と指摘する。 8月以降は電気ケトルの新安全基準に「転倒流水試験」が追加され、この基準を満たさないと製品の製造と輸入ができなくなる。現在、市場で転倒お湯漏れ防止機能を備えた製品は4割程度とみられ、今後は基準への対応が進んでいくとみられている。
電波新聞社 報道本部