【時系列でわかる⑧】“3日間停戦で人質50人解放” カタールの仲介で交渉続く ~ロイター通信(12日~15日まで)
■日本時間11月13日 WHO事務局長“シファ病院と連絡取れた”
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、連絡が取れなくなっていたパレスチナ自治区ガザ地区のシファ病院と連絡が取れたことを明らかにしました。しかし、「もはや病院として機能していない」として、改めて即時停戦を求めました。 WHOのテドロス事務局長は日本時間の13日朝、旧ツイッターのXを更新し、12日にWHOが連絡が取れなくなったと発表したガザ地区北部にある地区最大の医療機関、シファ病院と、連絡が取れたことを明らかにしました。ただ、「病院ではこの3日間、電気や水の供給もなく、ネット環境も不十分で、必要な医療の提供に深刻な影響を及ぼしている」「残念なことにシファ病院は、もはや病院として機能していない」と訴え、ガザ地区での即時停戦を改めて求めました。 イスラエル軍はこの病院にイスラム組織ハマスの司令部があると主張していて、10日には病院が攻撃を受けたと伝えられていますが、軍は病院への攻撃を否定しています。ロイター通信などは、病院は燃料切れで電源を失ったと報じていて、イスラエル軍は12日、シファ病院に燃料を提供したものの、「ハマスが病院に対し、燃料を取りに行かないよう圧力をかけている」と主張しています。
■11月12日 ガザ地区の主要な病院が相次いで機能停止 新生児5人が死亡したとの情報も
イスラエル軍の攻撃でガザ地区の主要な病院が相次いで機能を停止し医療が崩壊の危機に陥っています。これまでに新生児5人が死亡したとの情報もあります。 電源を失ったガザ地区の病院では医師らが手動で蘇生装置を使ってけがをした乳児の救命措置を行いました。この乳児は一命を取り留めたということですが、ガザ地区最大のシファ病院では、集中治療室の電源が失われて以降5人の新生児が死亡したとの情報もあります。シファ病院についてWHO(=世界保健機関)は、「もはや病院としては機能していない」としています。 シファ病院の医師 「私たちは孤立を確信している。誰も私たちの叫びを聞いてくれていない。患者を避難させられる保証が欲しい。ここには避難させ治療させる必要がある患者が600人もいるんだ」 また、ガザ地区で2番目に大きいクッズ病院も機能停止が伝えられるなどガザは医療崩壊の危機に陥っています。 これに対し、イスラエル軍は、緊急用の燃料300リットルを提供したとして映像を公開したほかネタニヤフ首相は12日、アメリカメディアに「燃料を提供しようとしたが、ハマスに拒否された」と主張しました。 その後、ハマス側は「拒否はしていない。この量では発電機を30分以上稼働することはできない」と批判しています。 イスラエル軍は、シファ病院への攻撃は行っておらず、病院も包囲してないとしています。シファ病院から南部に続く道への避難経路を示して退避を呼びかけたうえで命の危険があるとされる乳児を避難させる支援も行うと発表しました。人道的配慮を示すことで国際社会の批判を和らげたい思惑があるとみられます。