【時系列でわかる⑧】“3日間停戦で人質50人解放” カタールの仲介で交渉続く ~ロイター通信(12日~15日まで)
■11月12日 ネタニヤフ首相、ガザ地区の今後“パレスチナ自治政府が統治すべきでない”
イスラエルのネタニヤフ首相は12日、ガザ地区の今後についてパレスチナ自治政府が統治すべきではないとの考えを強調しました。 パレスチナ自治政府はかつて、ヨルダン川西岸とガザ地区の両方を管理していましたが、2007年にイスラム組織ハマスがガザ地区を武力制圧し、実効支配してからは分裂した状態が続いています。 ロイター通信によりますと、アメリカはブリンケン長官がガザ地区の今後について、パレスチナ自治政府が中心的な役割を果たすべきと述べるなど、イスラエルによる統治に否定的な考えを示しています。 しかし、ネタニヤフ首相は12日、アメリカのNBCのインタビューで、ガザ地区は「『別の管理機関』が統治する必要がある」と述べ、パレスチナ自治政府が統治すべきではないとの考えを強調しました。ネタニヤフ首相は11日、「軍が必要な限り、ガザ地区の安全保障を管理する」と述べていて、戦闘終結後も軍をいつでも投入できるようにする考えを示しています。
■11月13日 ガザ地区で人道支援活動が2日以内に停止へ…国連機関が発表
国連機関は13日、イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区で、燃料の枯渇により人道支援活動が2日以内に停止する見込みだと発表しました。 UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は13日、ガザ地区で人道支援物資の運搬などを行う国連のトラックの燃料が全てなくなったことを明らかにしました。 14日以降は、エジプトとの境界にあるラファ検問所から運ばれてくる支援物資を受けとることができず、人道支援活動は2日以内に停止する見込みだとしています。 国連高官 「14日以降(ガザに)到着するトラックはフォークリフトの燃料がないため、荷降ろしすることができない。そして物資を運ぶトラックの燃料もない」 また、パレスチナの通信会社は、燃料不足が続いた場合、今月16日までにガザ地区で通信が遮断されるとしています。
■11月13日 ガザ地区最大の病院「機能停止」 新生児6人含む15人死亡
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの交戦が続くパレスチナ自治区ガザ地区では、地区最大の病院が燃料切れで機能を停止するなど、人道危機への懸念が一段と強まっています。 パレスチナ保健当局は13日、ガザ地区最大のシファ病院で燃料不足による停電などが原因で、新生児6人を含む15人が死亡したと伝えています。この病院は避難民も受け入れていますが、11日から機能停止に陥っています。 イスラエル軍は13日、SNSでガザ地区の住民に南部への避難経路を示し、午前10時から午後2時まで南部のラファ市内で4時間、戦闘を休止すると通告していますが、実際には攻撃が行われていて、犠牲は増え続けています。 WHOやユニセフなど国連の3つの機関は12日、イスラエル軍に医療機関への攻撃をやめさせるための緊急行動を呼びかける共同声明を発表しました。 こうしたなか、ハマスは13日、人質解放交渉を仲介しているカタールに対し、5日間の停戦と引き換えにガザで拘束されている女性や子どもたち最大70人を解放する用意があると述べました。その上でハマスの報道官は、イスラエルが取引を先延ばしにしている、と非難しています。