【時系列でわかる⑧】“3日間停戦で人質50人解放” カタールの仲介で交渉続く ~ロイター通信(12日~15日まで)
■11月12日 イスラム組織「ハマス」が人質解放交渉を中断 ~ロイター通信
イスラム組織「ハマス」が、パレスチナ自治区ガザ地区のシファ病院に対するイスラエル軍の攻撃を理由に、人質解放交渉を中断していると12日、ロイター通信が伝えました。 パレスチナ自治区ガザ地区で最大の医療機関・シファ病院は、燃料が切れ、機能を停止したと伝えられています。 イスラエルのネタニヤフ首相は12日、アメリカのNBCに対し、「燃料を提供しようとしたが、ハマスに拒否された」「患者を移動できるよう、野戦病院の建設や病院船の派遣を国際社会に働きかけている」と主張しました。 こうした中、ロイター通信は、イスラエル軍によるシファ病院への攻撃を理由に、ハマス側が人質解放交渉を中断していると伝えました。 イスラエル軍が、ハマスの司令部があるとしてシファ病院への包囲網を狭める中、今後もハマス側が人質を使い揺さぶりをかけてくる可能性もあります。 イスラエル軍はシファ病院への攻撃も包囲も否定していて、12日には、シファ病院から南部に続く道への安全な避難経路を示して退避を呼びかけました。命の危険があるとされる乳児を避難させる支援を行うともしています。 これに対し、ガザ地区保健当局の報道官は12日、シファ病院にいる650人の患者を避難させることは絶対に不可能だと訴えました。 こうした中、燃料切れにより電源を失ったガザ地区の別の病院では、医師らが手動の蘇生装置を使って、乳児の救命措置を行っています。この乳児は一命を取り留めたということですが、ガザ市の主要病院が相次いで機能を停止し、現地の医療状況は日増しに悪化しています。
■11月12日 イスラエル軍“シファ病院に燃料提供もハマス側が受け取り拒否”と主張
イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ地区最大の病院で、機能を停止したとされるシファ病院に燃料を提供するも、ハマス側が受け取りを拒否していると主張しました。 ガザ地区で最大の医療機関・シファ病院は、燃料が切れ、機能を停止したと伝えられていますが、イスラエル軍は12日、シファ病院から南に300メートルの場所に、300リットルの燃料を届けたとする映像を公開しました。 その上で、軍の報道官は「病院が燃料を引き取るのを待っている。ハマスが病院に対し、燃料を取りに行かないよう圧力をかけている」と主張しました。 ネタニヤフ首相も12日、アメリカのNBCに対し、「病院の運営に十分な量の燃料を提供したが、ハマスに拒否された」としています。 一方でロイター通信によりますと、ハマス側は、受け取り拒否の事実を否定した上で、「この量では発電機を30分しか稼働できず、患者の苦痛を軽視している」と反発しています。 またシファ病院の院長も、中東メディアに対し、「回収場所は砲撃を受けやすい危険な場所だ」と訴えました。 その上で、「病院では1日8000リットルから1万2000リットルの燃料が必要である」「イスラエルは300リットルの燃料で、イメージを取り繕おうとしている」などとして、イスラエル側の主張はプロパガンダだとも訴えました。