荻原博子「〈ワンランク上〉と〈自分へのご褒美〉を捨てるとラクになれる」紫苑「〈ご褒美〉は目の前の生活がストレスなく楽しければ必要ない」
◆「見栄」と「プライド」を捨てるとラクになる 荻原 『婦人公論』世代は、自分の暮らしは節約しても、孫にはお金をかけている人が多いようですね。私は、お年玉や食べ物以外は孫にあげないことにしていますが、紫苑さんはどうなさっていますか? 紫苑 私も孫にお金はかけていません。とはいえ、たとえば孫のお宮参りのときに、向こうの親御さんがプレゼントを持ってくると、「申し訳ない」という心境になるのも確かです。 でも、見栄を張ってもしょうがないですからね。娘が忙しいときや孫が病気になって手助けが必要なときには進んで手伝いに行き、時間をプレゼントするようにしています。 荻原 可愛い孫のために、つい何かを買ってあげたくなる気持ちもわかりますけど、子どもたちにも好みがあるでしょう。祖父母の思いだけでオモチャや洋服をあげても、かえって迷惑になることがあります。それこそお金の無駄遣いです。 紫苑 私は、孫だけでなく友人や知人との交際費もほぼゼロ。大切な友人にはたまに会いますが、《義理ランチ》は卒業しました。贈り物へのお返しが必要になったときは、ネットで注文して品物を送り、通販サイトのポイントを貯めています(笑)。私なりの「ポイ活」ですね。 荻原 ポイントを貯めること自体が目的になると買い物をしすぎてしまい逆効果ですが、上手に活用すればメリットは大きい。私は、いつも行くスーパーのポイントカードは持っていますけど、還元率が高いからといって、わざわざ違うスーパーまで行ってポイントを貯めようとは思いません。 紫苑 私は、ポイントカードではなく、通称「区ペイ」と呼んでいる、自分の居住区だけで使える電子マネーを利用しています。たとえば1万円チャージした場合、区が指定した地元の商店なら最高1万2000円分の買い物ができる。2割も還元してくれるので、かなりおトクです。 荻原 自治体が地元の商店街を応援するためのシステムですね。商品券を配布している地域も見たことがあります。
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