大熱戦に大逆転! 最も心揺さぶられた一戦は?|読者が選ぶベストレース2024
3位: F1イギリスGP
このレースは何と言っても、ルイス・ハミルトンが久々の優勝を果たしたレースだという点で特別だった。 2021年にフェルスタッペンと激しくタイトルを争ったハミルトンだが、2022年からグラウンド・エフェクトを活用したマシンに変更されるとメルセデスは大苦戦。ハミルトンは勝利から遠ざかってしまった。 しかし徐々にパフォーマンスを取り戻したメルセデスはシーズン中盤に4戦3勝をマーク。そのうちの1勝がハミルトンの母国優勝だった。 雨が降ったり止んだりのブリティッシュ・ウェザーの下、レース中に最速のチームが上記3チームの間で目まぐるしく移り変わる“不思議”な展開に。2024年シーズンを通して話題となった、ピレリタイヤの使い方の難しさが良く現れたレースだったとも言えよう。 ライバルの猛追を逃げ切ったハミルトンが2年半振りの劇的優勝を飾ると、まさにお祭り騒ぎ。7度のF1王者が久々の勝利の美酒に酔いしれた。
2位:ル・マン24時間レース
101回目のル・マン24時間レースは近年稀に見る大接戦となった。リードラップでフィニッシュしたのが9台もいたということからもそれがよく分かるだろう。 レースを通じて、周期的に雨が降り誰が勝つのか全く分からないレースとなったが、残り数時間のところでリードしていたのはフェラーリ50号車だった。 トヨタは2台共が優勝争いに残っていたが、8号車はフェラーリ51号車との接触で後退。7号車もホセ・マリア・ロペスがスピンを喫し、詰めの一手が打てなかった。 フェラーリ50号車はドアが走行中に開いてしまうトラブルにも見舞われ、燃費走行でなんとかフィニッシュ。2位のトヨタ7号車とはわずか14.221秒差だった。
1位: F1サンパウロGP
週末を通じて雨に見舞われたインテルラゴス。予選が日曜日の朝に実施される変則的なフォーマットとなった。赤旗が5回出される波乱となった予選で、素晴らしいパフォーマンスを見せたのが、RBの角田裕毅。自己ベストグリッドを更新する予選3番手を手にしたのだ。 決勝では少しずつポジションを下げた角田だったが、チームは最適なタイミングでフルウエットタイヤを履かせた。表彰台どころか優勝も狙えるペースだったものの、レース継続は難しいと判断され赤旗中断となった。 もし赤旗が出ていなければ、角田が首位に躍り出る可能性も十分にあっただけに7位は喜べない結果だった。 このレースで勝ったのはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。予選はアタックをまとめられず17番手からのスタートとなったが、赤旗が味方して優勝。振り返ってみれば、この勝利でランド・ノリスとのポイント差が広がったことが、タイトル争いでも大きな意味を持っていたと言えよう。