ナイキ ランニング メディア キャンプ :最新テクノロジーを体験してわかったこと
2017年にナイキがカーボンプレートを搭載した厚底シューズをリリースし、ランニングシューズシーンに正真正銘の革命を起こした。以来、ランニングシーンをリードし続けているのはランナーならご存知の通り。世界レベルのマラソン大会ではトップアスリートたちが着用し、日本では箱根駅伝に出場する多くのランナーがナイキをチョイスしている。 今夏のパリ五輪ではシファン・ハッサン選手がナイキのシューズとともにマラソンで金メダル、5000mと10000mで銅メダルを獲得するという偉業を成し遂げた。 そんなナイキのランニングシューズを体感し、テクノロジーを深く理解するためのイベント、「NIKE RUNNING MEDIA CAMP 2024(ナイキ ランニング メディア キャンプ 2024)」の模様をレポートする。
大学のトップ選手たちはどのようにシューズを履き分けているのか
プロダクトプレゼンテーションからスタートした、ナイキ ランニング メディア キャンプ 2024。今回のキャンプのゲストである、名城大学女子駅伝部から米田勝朗監督、主将の谷本七星選手、米澤奈々香選手、東洋大学陸上競技部長距離部門から酒井俊幸監督、主将の梅崎 蓮選手、石田洸介選手も登場した。
EKIDEN PACKを含むナイキの最新ランニングシューズの機能とともに、各選手がどのようにトレーニングでシューズを履き分けているかが紹介された。以下がその詳細だ。 ・谷本七星選手/ジョグ:ペガサス・ペガサス プラス、集団走・速いジョグ:ペガサス・ペガサス プラス、ペース走:アルファフライ、スピード練習:ドラゴンフライ(トラックシーズン)・アルファフライ(駅伝シーズン)、レース:アルファフライ ・米澤奈々香選手/ジョグ:ペガサス、集団走・速いジョグ:ペガサス、ペース走:ヴェイパーフライ、スピード練習:ドラゴンフライ(トラックシーズン)・ヴェイパーフライ(駅伝シーズン)、レース:ヴェイパーフライ ・梅崎 蓮選手/ジョグ:ペガサス、集団走・速いジョグ:ペガサス プラス、ペース走:ストリークフライ、スピード練習:ストリークフライ・アルファフライ、レース:アルファフライ ・石田洸介選手/ジョグ:ボメロ、集団走・速いジョグ:ペガサス プラス・ズームフライ、ペース走:ヴェイパーフライ、スピード練習:ヴァイパーフライ・ペガサス プラス、レース:アルファフライ それぞれの練習についての概要を谷本選手が次のように説明してくれた。 「ジョグは走る基礎となる練習。練習の7、8割がジョグになります。もう少しスピードを上げて集団で走るのが集団走。速いジョグというのは、少しレース寄りのペースで行うジョグです。 集団走よりももう一段階スピードが上がるのがペース走。レースに近いイメージを持って、それなりに長い距離を速いペースで走ります。スピード練習は自分のスピードの上限を上げるイメージで行うもので、200m、400m、800m、1000mといった距離を走ります」 また、それぞれのシューズにどのような印象を持っているのかも教えてくれた。 「ジョグではクッション性と安定性のあるペガサスと、ペガサス プラスを履き分けています。より実践的な練習であるペース走のときは、フォームもレースに近いものになるので、アルファフライを履いています」(谷本選手) 「ジョグではロード、トラック、人工芝を走るのですが、ケガの予防のためにクッション性のあるペガサスを履いています。ペガサスは反発力もあって、少し速いペースにも対応できるので、集団走でもペガサスを使っています。私はアルファフライよりもヴェイパーフライの方が自分にフィットする感じがするので、ヴェイパーフライをレースシューズにしています」(米澤選手) 「ジョグで使っているペガサスはクッション性がありながら、脚作りもできるシューズ。速いジョグで履くペガサス プラスは、レスポンスがいいのが魅力です。スピード練習での使い分けは、それほど強度が高くなければストリークフライ、強度が高いときにはアルファフライを履いています」(梅崎選手) 「基礎となる練習のジョグはなるべく快適に行いたいので、クッション性に優れたボメロを履いています。速いジョグでズームフライを履くのは、プレートの入った厚底シューズに体を慣らすという目的があります。ペガサス プラスは汎用性が高くスピードも出せるシューズで、1000mのインターバルをキロ3分ペースぐらいで行うときにも使えるシューズだと思います」(石田選手) また、東洋大学の酒井監督は、基本的にシューズ選びは各自に任せているものの、トレーニング中にフォームの不安定さが見られた場合は、別のシューズを試してみてはどうかと提案することもあるそうだ。