「革の鞭で叩かれた」「ブランドを潰された」アラン・ドロンと長男アンソニー、長年の確執とは?
アラン・ドロンと彼の長男アンソニーの関係は何度かスキャンダルになり、しばしばゴシップ誌で取り上げられてきた。しかし、論争を乗り越え、今では過去を清算し、ふたりの関係は穏やかなものとなっているようだ。 【写真】アラン・ドロンの子どもたち、その成長を写真で追う 「ドロン家の王朝」の終焉か? いずれにせよ、フランス映画の巨星アラン・ドロンの長男アンソニーと愛娘アヌーシュカの確執によって、一家は弱体化している。アンソニーは87歳の父親の健康状態を妹アヌーシュカが秘密にしていたと非難している。一方、アヌーシュカはこれらの主張を完全に否定しており、彼女はそれを「アンソニーによる恨み、嫉妬、復讐」だと見ている。彼女の弁護士であるクリストフ・アイラが1月4日(木)『ル・フィガロ』紙に語った言葉では、「明らかに解決されていない昔からの争い」が関与していると述べている。主な利害関係者は誰か? アラン・ドロンは、「メディアでの暴露に非常にショックを受けている」と語り、長男を提訴することを決めたようだ。長男との関係は長い間険悪だった。
「父は私を愛していなかった」
"アラン・ドロンの息子"という伝説的俳優の名前を背負うのは容易ではない。また、父の影響を受けずに生きることも、父がときに自分を話題にすることも避けることは難しい。アンソニー・ドロンはそのことを重々理解している。彼が支払わなければならない代償は、2022年3月に出版された著書『Entre chien et loup(原題)』に詳しく書かれている。59歳の俳優は、この著書の中で、自身と父親との深い関係性を探求している。過酷で難しい状況や出来事を描きながらも、真の許しも描かれ、尊敬される反面、恐れられる父親の難しい姿を強調している。 この自伝の中で、アンソニーの記憶には、アラン・ドロンの厳しさがしばしば許容範囲を超えた瞬間が刻まれている。「父であるこの男は私を愛しておらず、私の一部を破壊させた。しかし、私は、父が、若者の典型的な愛と限りない熱意をもって、この世の他の何ものでもなく私を求めていたと思う」と彼は綴っている。ページをめくるごとに、ナタリー・ドロンの息子アンソニーは、アラン・ドロンの"欠落した日々"をより細かに描写している。父の暗黒面が支配していた日々。2022年5月の日刊紙『ウエスト・フランス』のコラムで、彼は幼い頃、食卓にうまく座れなかった時の昼食のことを語っている。「父は苛立ちながら『フォークで口に運ぶのであって、逆ではない』と叫んだ。3回目の発言の後、父は皿を窓から投げ出し、『部屋に行け!』と叫んだ。『再び彼の中の悪魔に取り憑かれたように』、有名な俳優でもある父は革の鞭を取り出し、それで私を打った。『犬にさえこの鞭を打たないのに......』と父は言った。」 屈辱はそこで終わらない。「父は、10歳の時から何度も私を屈服させ、弱体化させようとした。成人になる年齢でもそうであった」とアンソニー・ドロンは日刊紙『ウエスト・フランス』に語っている。その後、彼は自身のブランドのレザージャケットが自分の息子の商品の影に隠れてしまうことを恐れて、息子のブランドを消滅させ、収益が見込まれる日本での広告撮影を禁止した。「私が生きている限り、絶対に日本にはドロンはひとりしかいない、それは私だけだ」と述べた。母親のナタリーはどう思っていたのだろう? 誰もわからない。しかし、アンソニーは死の直前まで、彼女の揺るぎないサポートを得ていた。アンソニーは著書の中で、自らを「雀の体をした獅子」と表現している。