東九州龍谷高が大学勢を連破 下級生中心で代表権獲得【バレー天皇杯・皇后杯九州ブロック予選】
九共大、鹿屋体大に勝利
バレーボールの天皇杯・皇后杯全日本選手権の九州ブロック予選(女子)が23日、大分県中津市のダイハツ九州アリーナであった。各県予選を勝ち上がったVリーグ、クラブ、大学、高校の計17チームが3グループ(A、B、C)に分かれてトーナメント戦を実施。各グループからフォレストリーヴズ熊本、カノアラウレアーズ福岡、東九州龍谷高(大分)が12月に大阪市のAsueアリーナ大阪で行われる本戦進出を決めた。国内最高峰リーグのSVリーグに所属するSAGA久光スプリングス(佐賀)は本戦から参戦する。 ■引退表明の古賀紗理那が同僚たちと〝思い出〟ショット【写真】 Aグループのフォレストは福岡大と鹿児島城西高にストレート勝ちし、Bグループのカノアも西原高(沖縄)と福岡女学院高の挑戦を失セットなしで退けた。Vリーグに所属する2チームが順当勝ちした一方で、Cグループは「東龍」こと東九州龍谷高が制した。九共大(福岡)と鹿屋体大(鹿児島)の大学勢を連破した勢いに乗って、熊本信愛女学院高との決勝はセットカウント2―0(25―19、25―22)で勝利した。 「うまくて強い大学生に勝てたことは選手たちにとって大きな自信になります」と、相原昇監督(56)は一日に3試合、計7セットを戦い抜いた選手たちをたたえた。エースの忠願寺莉桜や正セッターの吉村はぐみの両1年生をはじめ下級生中心の布陣で、今夏の全国高校総体(インターハイ)は3位に食い込んだ。10月の国民スポーツ大会(国スポ)、そして年明けの全日本高校選手権(春高バレー)を見据えて強化を進めるチームにとって、勢いが増す大会となった。
「本当に頼もしい」相原監督が称賛した2年生リベロ
九共大との初戦は第1セットを24―26で先取されてもひるまずに、続く2セットを連取して逆転勝ち。今春の九州大学リーグ覇者でもある鹿屋体大との一戦は30―28、25―23で粘り勝ちした。「鹿屋さんには最近勝った記憶がなく、正直勝利をイメージすることよりも、攻守に鍛えられた相手との試合を通してチームを強化するという観点で臨みました」と相原監督は説明。期待に応えて躍動したのが、アウトサイドヒッターの藤﨑愛梨(2年)とリベロの源田真央(2年)だ。レフト側からの攻撃を担った藤﨑は切れ味鋭いスパイクだけでなく、ラリー中のトスを含めて細かいプレーも丁寧にこなすなど得点への道筋を随所でつくった。 広い守備範囲を誇る源田は九共大、鹿屋体大の強力なサーブを堅実にレシーブ。「源田が(サービス)エースを取られずに、返球してくれたのが一番の勝因。本当に頼もしい」と相原監督は目を細めた。高速コンビバレーを下支えする活躍に、源田は「サーブの威力がすごかったので、今までよりも(ボールを体の近いところで受けるように)吸収して、絶対に相手コートに返さないように意識しました」と胸を張った。身長は公称153センチながら、実際は151センチだという。「東龍に入った時は152ぐらいあったと思うんです。最近測ったら背が縮んでいたのがちょっと悲しくて…」と笑顔で打ち明けた。体は小さくてもコートで大きな仕事をやり遂げる守護神のほおを、夕日がまばゆいほどに照らしていた。(西口憲一) 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社