【九州場所】尊富士に横綱照ノ富士が〝喝〟「何で当たらないんだ? 稽古をしてるだろ」
横綱から〝喝〟だ。大相撲九州場所3日目(12日、福岡国際センター)、幕内尊富士(25=伊勢ヶ浜)が幕内輝(30=高田川)を一気に寄り切って2勝目(1敗)。取組後は「まだ完璧ではないけど、前に前に出ようという気持ちだった。そういう稽古をしてきたので良かった」とうなずいた。 前日2日目、黒星を喫して会場を出ると、突然携帯電話が鳴った。兄弟子の横綱照ノ富士からだった。「(初日から)この2日、見ていたけど、何で当たらないんだ? 当たる稽古をしているだろ」。尊富士は「気合の電話でした。横綱から見たら、当たる相撲ができていなかった。今日はいい相撲、横綱が言った通りの相撲を取ろうと思った。(自分の相撲を)見ているんだなと。花道にいると思って、気合が入った」と明かした。 その照ノ富士は、古傷を抱える両ヒザや糖尿病の影響により2場所連続で休場。来年1月の初場所での復帰を目指している。尊富士は「横綱がいない場所ですけど、部屋から一人でも多くが元気な相撲を取れれば。横綱が次に出てくる時に、前向きな感じでできる。弟弟子として、しっかりやりたい」と恩返しを誓った。 4日目以降に向けては「勝ち負けじゃなく、とにかく自分の相撲を取り切るだけ」。春場所では110年ぶりとなる新入幕優勝を達成した。横綱の叱咤激励で目覚めた尊富士は、再び旋風を起こせるか。
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