仮契約中のJクラブから「行っていい」 寝ずに悩んだ欧州移籍…19歳が捨てた慶応ブランド【現地発コラム】
ズヴォレとのカップ戦でGKの逆を突いてニアサイドをぶち抜く初ゴールを決めた
NECに移籍して2か月。オランダ1部NECナイメヘンのU-19日本代表FW塩貝健人が10月30日、KNVBカップ1回戦のズヴォレ戦(4-3)でチームを勝利に導く勝ち越しゴールを決めてヒーローになった。2-2で迎えた延長前半13分、ドリブルで敵陣右ハーフスペースを突いた19歳のストライカーは、クロスを上げるような姿勢からノールックでシュートを放った。完全に裏をかかれた相手GKヤスパー・スヘンデラールは、ニアポストへ吸い込まれていくシュートを見送るしかなかった。 【実際の動画】塩貝健人がニアをぶち抜きの欧州初ゴールを決めた瞬間 本人が「ファーストタッチの時点で『打てるな』と思ってました。コースが空いていたので思いっきり打ちました」と語った、狙い通りのゴールだった。その豪胆さに、後半33分から2トップを組んだ日本代表FW小川航基は「中にクロスを入れるキックの体勢をしていたから『クロスを上げるのかな』と思ったらシュートを打ったんで、逆を突かれましたね。みんな『えっ!!』と思った」と驚いていた。本人は、オランダ初ゴールを報告するインスタグラムに「#狙った」と投稿した。 塩貝は、延長戦で雌雄を決することになったズヴォレ戦で44分間というまとまった出場時間を手にしたものの、オランダリーグでは6試合に出場して平均12分間のプレーに留まっている。それでも、ほぼ毎試合見せ場を作っているのは、塩貝の非凡なところ。10月19日の対ヘーレンフェーン戦では、得意の走力でマークを引き離して右ハーフスペースを突き、完璧なクロスをFWロベールのヘッドに合わせた(ロベールのシュートはGKの好セーブにあった)。 このとき、MF佐野航大は塩貝のビッグプレーにこう賛辞を送っていた。 「“あのプレー”をオランダリーグで自分の強みとしてどんどん出せているところに僕はもうリスペクト。すごいなっていう思いしかないです。(NECに入団して最初の半年間)俺は全然、試合に出てなかったですし。ああいうプレーを、ピッチに入ってから平気でやっちゃうところが、健人は凄いと思います」