【ホラー漫画】悪霊だって進歩する!?「足があって手がないテケテケ」アベコベな落書きの正体が怖すぎる【作者に訊く】
猛烈な暑さの日が続く今年の夏。ウォーカープラスではそんな季節にぴったりなホラー漫画を特集。今回は、的野アンジ(@matonotoma)さんの漫画「僕が死ぬだけの百物語」(小学館)の一篇、「テケテケ」を、作者の的野さんのコメントとともに紹介する。 【ホラー漫画」「テケテケ」を読む ■アベコベな「テケテケ」の落書き、固定観念を揺るがす短編ホラー 『僕が死ぬだけの百物語』は、作者は「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載中のホラーオムニバス漫画。「テケテケ」は、単行本第3巻に収録されたエピソードだ。表題の「テケテケ」とは、下半身がちぎれた幽霊で、両手を使ってテケテケと歩いて襲い掛かってくるという悪霊のこと。本作はとある教師が、生徒の描いた「テケテケ」の落書きに違和感を覚えるところからはじまる。 落書きのテケテケは、どういうわけか、ないはずの足があり、反対にあるべき腕がないあべこべの姿をしていた。同僚や事務員らもそのイラストを見ていぶかしる。そこに、「返して私の足」と不穏な様子の女性がやってきて――、というストーリーだ。 生徒が見て描いたという「テケテケ」は果たして本物なのか、それとも別の何かなのか……。不安が掻き立てられる中、ラストで明かされるその正体に、X上で投稿された際は4.8万件超のいいねとともに「そう来たか!?ってなるゾクっとするオチ」「確かに絵は間違ってない」とさまざまな反響が寄せられた。 的野さんによると、都市伝説をもとにした同話は、連載の中でも好評を博した回だという。恐怖の根源となるのは的野さんの解釈による“テケテケ”だが、その全貌はクライマックスになるまで登場しない。 作者の的野さんはホラーの恐怖について「明確な恐怖の対象が出てくるよりも、今に何かが出てくるのではないかという状態で待っている時が一番辛く怖いと思います」と話す。その上で「怪奇現象よりも、ハラハラ汗水垂らしている人間を描いていることが多いように思います」と、悲劇の予感に震える登場人物の反応で怖さを表現することがあるという。テケテケを知っていれば違和感を感じる落書きと、それに翻弄される学校の人々が描かれる同話はそうした好例と言えるだろう。 現在、連載は八十話を超え、百物語が数字通りに終わるとすれば佳境と言える。的野さんは「ここまで読み続けてくれた方々、本当にありがとうございます。百物語を語るユウマに残された時間もあと少しです。一緒に最後を迎えていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします」と読者に向けてメッセージを寄せた。 取材協力:的野アンジ(@matonotoma)