はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文2)今回の運用は世界初の事例
着実にリュウグウ表面に着地
吉田:その次の画像でございます、スライドでございますが、切り離しの段階、切り離された直後からローバーと「はやぶさ2」本体との間では無線通信は確保できてますということをご報告させていただいてたんですけれども、その通信がオン、「はやぶさ2」側から通信が確認できたタイミング、横軸、時間にして表示したのがこの図でございます。分離時刻がこれなんですけれども、先ほど吉川さんからありました軌道推定の結果、おおむねこのくらいの時間帯、地球時間でいきますと24時間にちょっと満たないぐらいで表面に落ちてるんではないかという話があるんですけども、これとこの通信がどう関係してるのかというのをまとめたのが次のグラフになります。 同じ画面をちょっと見ていただいて、これが、グレーで描いておりますのがリュウグウ表面の日陰の部分ですね。自転しておりますので日照と日陰を繰り返しているわけですけど、その周期に合わせて白とグレーのパターンを描くとこんな形で重ね合わせることができまして、ちょうどリュウグウ表面で太陽光を浴びてる時間帯に電波を発していて、日陰に入ると無線が止まると。そのパターンがきちんと自転に同期していると。これは今たまたま10月8日の午前9時までのデータしか使ってませんので出てないように見えるんですが、これはずっとこのあと継続しております。このパターンから見ましても、リュウグウ表面にこのローバーは着地したと。そして太陽光を浴びて電波を出して、夜になると電波が止まるというサイクルが繰り返されている。 それから着地推定時刻につきましても、リュウグウの回りをぐるっと回って、1周回って、さらに4分の1回って、ちょうど日なたから日陰に入るぐらいのタイミングで着地したのではないかなと推定されているわけですけど、その結果とも非常に整合する内容となっているというふうに言えますので、私どもとしては着実にローバ2はリュウグウ表面に着地したと。その間1周以上、1と4分の1周リュウグウの回りを周回したというふうに考えているところでございます。ここで少し分離機構の話がございますので、分離機構につきましては永岡のほうから説明申し上げたいと思います。