ロボットとウエアラブルは未来を拓くか? CEATEC JAPAN 2015が開催
THE PAGE
最先端のIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン) 2015」が、10月7日(水)~10日(土)の4日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開催される。今回のみどころは何か。開催前日に行われたメディア先行公開を取材した。
未来の夢か、時代のあだ花か
毎回、新しい製品やサービスが登場し、未来への夢を描いてみせるCEATEC JAPAN。今回のテーマ「NEXT ── 夢を力に、未来への挑戦」にも、らしさがにじみ出ている。 もっとも、過去を振り返ると夢が夢のままに終わるという、いわば「時代のあだ花」的な製品も少なくない。たとえば、2008年のソニーの有機ELテレビ、2010年のシャープの電子書籍端末。同時期に各社が競ってリリースした3Dテレビもその仲間だろう。一方、4Kテレビのように、市場で花を咲かせる製品もまた多数存在する。 今年は、東芝や日立製作所、ソニーが出展せず、展示会としての存在感低下を指摘する声もある。だが、そんな中でも新しい技術や製品はやはり存在し、電機業界の関係者には引き続き貴重な情報収集の場であろうし、仕事を抜きにしすれば、“実現する未来としない未来”の混在を楽しめる展示会だと言っていい。
目につくロボット展示
今回も、国内外のメーカーや研究機関から、様々な趣向の出展が行われたが、まず目についたのは、ロボットを用いた企画だった。 オムロンは、昨年に続き、今回も「卓球ロボット」を出展した。前回に比べ、ボールの位置認識や軌道推定、ラケット制御、返球方向表示の4点が進化。対戦相手には、前もって打ち返すコースを盤上に表示してくれるので、ラリーがより継続しやすくなったという。 機械が人の能力を引き出し、成長を促すという「人と機械の融和」を具現化したというこのロボット。用途としては、例えばキャリアの浅い技術者の作業を、手助けしてくれる工作機械などの実現が考えられるという。将来的に、ロボットが人を教える光景が見られるかもしれない。 ロボット型の携帯電話「RoBoHoN(ロボホン)」を紹介したのはシャープ。音声でやり取りをするのが特徴で、たとえば、「立ち上がれ」と声を掛ければRoBoHoNは起立し、着信があれば「電話だよ」とROBOHONが教えてくれる。 会場では、説明員の女性がポケットに入れるデモンストレーションを行っていた。身長約19cm、体重約390g。ポケットにちょこんと入った姿は愛らしく、持ち歩くうちに愛着がわく人もいそうだ。音声通話のほか、メールの送受信やカメラ、スケジュール管理、メモ機能も搭載する。2016年前半に商品化の予定。 このほか、デンソーが高校生けん玉ロボットプロジェクトの展示を行った。高校生にものづくりの楽しさや難しさを知ってもらいたい、という狙いでスタートしたこのプロジェクトでは、デンソーがロボットアームを提供し、高校生がプログラミングを担当。ブースでは、高校生が端末を操作し、けん玉の実演を行っていた。