愛知~静岡が「無料で信号ゼロ」に!? 3月全通決定の「名豊道路」のスゴさとは 東名も新東名も遠かった「空白地帯」に悲願の高規格道路 さらなる計画も!?
事業着手から「半世紀」の悲願
愛知県~静岡県を信号ゼロでつなぐ、無料の高規格道路「名豊道路」が、いよいよ今年2025年3月に全線開通を迎えます。 昨年末についに開通日時が発表されたばかりですが、一体どう便利になるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが「名豊道路」計画ルートと工事状況です(30枚以上)
名豊道路は豊明ICから国道1号の浜松市内のバイパスへ直通する道路で、総延長は約73kmです。 東名や新東名からは完全に独立していて、安城市、西尾市、蒲郡市、豊橋市などをつなぐ役割を担っています。このあたりは高速道路はおろか、バイパスだけでなく、まともな主要一般道路すらほとんどありませんでした。 こうした、道路網が貧弱で未発達な状況を打破すべく、名古屋・浜松方面へ直結する道路として計画されたのが「名豊道路」です。 事業着手は1972年で、順次開通してきました。 残る未開通区間は「蒲郡IC~豊川為当IC」の9.1kmだけで、この蒲郡の「ブツ切れ区間」さえ開通すれば、愛知県から浜松方面まで完全信号ゼロが実現することになります。 三河エリアには工業地帯もあり、完成した自動車を三河港方面へ運搬するルートとしても重宝しています。ほかにも野菜や花の生産量が大きいこのエリアにとって、チマチマと生活道路を走る状態を改善してくれる存在でもあります。 もちろん、東名・新東名に代わる「第3ルート」として、防災面でもいざという時の長距離ネットワークを担うこととなります。 現在は、名豊道路のこのブツ切れ区間で、いったん蒲郡市街を信号待ちや右左折しなければなりません。全通すれば、いよいよこの不便な状況が解消されます。 「2024年度開通」という情報は出ていたものの、夏になり、秋になり、いつになったら開通するのか…とヤキモキする声もありましたが、ついに「2025年3月8日」と正式発表になりました。 半世紀かけてようやく全線開通を迎える名豊道路ですが、この全通はまだ「ひとつの区切り」にすぎません。というのは、まだ暫定2車線であり、ポテンシャルを真に発揮する「4車線化」はまだ途中です。 4車線化が完了しているのは、豊明~西尾東(知立・岡崎工区)、前芝~大崎(豊橋工区)の2区間。その他も4車線化が一部事業中ですが、沿線自治体は早期の4車線化実現を要望し続けています。 名豊道路のほかにも、名古屋港方面から知多・岡崎方面へ直結をめざす「名古屋三河道路」、豊橋から湖西市を経て新東名へつなぐ「浜松湖西道路」も事業化プロセス段階となっています。
くるまのニュース編集部