「あのクズ」最終回目前! 戸村光来Pが語る見どころと制作秘話
リアクションや表情をホラー映画の表現に例える
――第7話での別れのシーンなど、奈緒さん、玉森さんお二人の表情の演技に引き込まれました。特に印象に残っているシーンはありますか? 「玉森さんについては、第8話の再会シーンが印象的でした。それまでの海里は突き放した態度や自分勝手な行動が多かったのですが、このシーンでは初めて人間らしい弱さや苦しさを見せてくれました。その表情だけで感情を表現する技術が素晴らしく、セリフが少ないにも関わらず、共感を与える力があると感じました。一方、奈緒さんは動きのコミカルさが際立っていました。第6話の冒頭でお母さんから『ラブホテルに行った?』と突っ込まれるシーンでは、全身を使ったリアクションで、ほこ美の焦りや恥ずかしさをユーモラスに表現していました。また、前半の海里に沼っていく表情の微細な変化も非常に魅力的でした」 ――奈緒さんと玉森さんが一緒に盛り上げた“胸キュンシーン”について、裏話を教えてください。お二人から出たアイデアなどはあったのでしょうか? 「第6話のキスシーンの撮影では、玉森さんの体勢が非常に難しいものでした。ロープを抑えながらキスをするという場面は、普通なら腕が震えてしまいそうな状況ですが、鍛えた体のおかげで支えられたシーンだったと思います。玉森さんはその状態でもカッコよく、見事に演じ切ってくれました。また、奈緒さんはキュンシーン後のリアクションを非常に大切にされていて、視聴者が“自分が海里にそうされたら…”と想像しやすい表情やリアクションを意識していました」 ――奈緒さんは今回、本格的なラブコメに初挑戦されましたが、現場ではどのように取り組まれていたのでしょうか? 「奈緒さんは撮影を通じて、リアクションや表情をホラー映画の表現に例えるなど、独自のアプローチを試されていました。例えば、恐怖心を感じるリアクションの作り方と似た技法を応用し、視覚的に強い印象を与える演技に挑戦されていました。また、周囲の女性スタッフの意見を積極的に取り入れ、みんなの反応を見ながら“ベスト”な演技を模索していたのが印象的でした。胸キュンシーンの芝居においても、スタッフのリアクションを参考にした部分があり、非常にユニークな取り組みをされていたと思います」 ――玉森さんと奈緒さんの“胸キュンシーン”に関連して、玉森さんの現場での振る舞いはいかがでしたか? 「玉森さんは、女性スタッフからの具体的な要望、例えば『この角度で顎のラインを見せたい』といった指示にも、即座に対応されていました。瞬時に理解し実行できるその姿勢は、経験値の高さを感じさせました。全体を通して飲み込みが早く、頼りになる存在でしたね」