「あのクズ」最終回目前! 戸村光来Pが語る見どころと制作秘話
――続いて、小関裕太さん演じる大葉奏斗についても聞かせてください。ラブストーリーにおいてライバル的な役割を担うキャラクターですが、難しいポジションでもあります。どのような意図でキャスティングをされたのでしょうか? 「大葉というキャラクターは、海里との対比を強く意識しました。このドラマは“クズな男”がテーマにあるので、大葉にはあえて“クズ要素”を排除しました。スーツに眼鏡という設定で、海里とはまったく違う立場を描いています。ただし、完璧すぎる人物では共感しにくい側面もありますので、“悩む姿”や“踏み出せないもどかしさ”といった人間らしい部分を意識して作り込みました」 ――小関さんご自身の印象が、キャラクターに反映されているそうですね。 「台本が中盤まで進んだ段階で小関さんとお話する機会をいただいた際、素の人の良さや育ちの良さが際立っていると感じました。それが監督や脚本家にも伝わり、大葉というキャラクターにも反映されています。キャラクターが“いい人過ぎる”という意見もありましたが、デフォルメし過ぎず、少しダサい部分や自然な人間らしさを取り入れることで、等身大の魅力を持つキャラクターに仕上がったと思います」 ――大葉には「何か救いがあるといいな」と感じている視聴者も多いと思いますが、物語の中で彼がどう描かれていくのか教えてください。 「大葉は物語の中で“救われる”べきキャラクターであり、その姿が視聴者にとっての希望や共感につながると考えました。最終的には、彼が救われる場面をしっかりと描いています。特に、ほこ美との恋愛を通じて生まれた救いの要素には注目していただきたいですね。大葉の成長と救いが、物語の中でどのように展開されるのか、ぜひ楽しみにしていてください」
――玉井詩織(ももいろクローバーZ)さん演じる新田撫についてもお伺いします。視聴者からは「ほこ美以上に共感できる」という声もあるようですが、キャラクター作りにおいてどのような点を意識されましたか? 「撫は、正直、僕自身は女性の気持ちの細かな部分について理解が難しいところがありました。そのため、制作段階では女性スタッフや脚本家の意見を多く取り入れました。第8話でクッキーを作り過ぎてしまう場面など、男性の僕には思いつかないアイデアでしたが、男性からは見えない女性同士の関係性がリアルに描けたらなと思っていました」 ――第7話にゲスト出演された濵田崇裕さん(WEST.)の印象はいかがでしたか? 「濵田さんは本当に面白い方でしたね。たった2日間の撮影でしたが、メークさんたちを爆笑させるなど、まるでレギュラーキャストのような自然ななじみ方をされていました。また、運動神経が抜群で、監修の松浦さんも『彼は一体何者なんですか』と驚くほど。教えることがないとおっしゃっていたほどです。普段から格闘技をたしなんでいるそうで、天才肌の方なんだなと感じました」 ――続いて、異なる役どころで全話に登場する那須川天心さんの起用についても伺えますか? 「那須川さんを起用した理由の一つは、物語の要素の一つである“新しい挑戦”という姿勢が、物語と合致している点です。この作品では、大人の習い事をきっかけに人が変わっていく姿を描きたいと思っていました。那須川さんはキックボクサーとしてのキャリアを経て、ボクシングに挑戦し、さらにYouTubeやバラエティー、アパレル業界など、さまざまな分野で挑戦を続けています。その柔軟性と挑戦心が、この物語のテーマと親和性が高いと感じました」