「あのクズ」最終回目前! 戸村光来Pが語る見どころと制作秘話
――プロボクサーを目指す後半に向け、ダイエットなど大変なことも多かったと思いますが? 「食事制限も楽しんでいるように見えました。自分の食事内容をネタにして笑いを取るなど、終始ポジティブな姿勢を貫いていました。炭水化物を控えていた影響で『頭が回らない』と笑いながら話すこともありましたが、一切弱音を吐かず、現場では強さを見せ続けていました」 ――玉森さんのキャスティングについてはいかがでしたか? 「海里役は非常に難しい役だと思っていました。“全女子を沼らせる謎の男”としての魅力を持ちながら、お芝居やビジュアルすべてを兼ね備えた人物でなければなりません。玉森さんは過去にラブストーリーに出演された経験があり、見せるべきところではキメて、自然な芝居が求められる場面では柔らかく演じられる、そのバランス感覚に優れている点が大きかったです。少しミステリアスな雰囲気や“悪っぽさ”も持ち合わせていて、今回の海里役にぴったりだと感じました」
ほこ美がサウスポーに変わるシーンは奈緒さんから
――ボクシングシーンのために、具体的にどのような準備をされたのでしょうか? 「奈緒さんと玉森さんには、かなり本格的なトレーニングをお願いしました。ドラマは約4か月の撮影期間があるので、その間ずっと体作りとボクシング練習を続けていただきました。奈緒さんは、監修の松浦慎一郎さんのパーソナルトレーニングとは別に、自主的にパーソナルジムや整体、キックボクシングの練習を同時に行い、“見せる筋肉”作り、技術習得、体のバランス維持という三つの側面でトレーニング環境を自ら整えていました。女子ボクシング現世界王者・晝田瑞希さんにも指導していただき、プレーヤー目線でのアドバイスが非常に役立ちました」 ――JBC(日本ボクシングコミッション)の協力もあったそうですね。 「JBCの協力は非常に大きかったです。リングアナウンサーやレフリーには実際のプロの方々に出演していただきました。また、JBCの方々からも『女子ボクシングを取り上げてくれたことがうれしい』という声をいただき、火曜ドラマという枠を通じてボクシングになじみがない視聴者にもこのスポーツの魅力を伝えることができたのではないかと思います。細かい描写のために、プロテストを実際に見学したり、ボクシングジムを訪れて選手や関係者の方々と直接話をさせていただいたりしました」 ――第6話ではほこ美がサウスポーに変わるシーンがありましたが、この設定は奈緒さんの特性から生まれたものなのでしょうか? 「このアイデアは奈緒さんとの初対面の時に生まれました。初めて会った際、奈緒さんから『ボクシングをやりながら話しましょう!』という提案をいただき、練習した時に『実は私、サウスポーなんです』と言われて驚きました。そこで奈緒さんから『途中で左に変わる展開、面白くないですか』と提案があり、実際にそういったケースがあると分かり、物語に取り入れることにしました」