西武などから初の選手派遣…3年目を迎えた「ジャパンウィンターリーグ」は新たな人材発掘の場となるか?
選手も多種多様だが、チームを預かる指導者も国際色が強い。 ジャパンウィンターリーグでは、コーディネーターと位置づけされている「コーチ」には、オーストリア代表監督を長年務める坂梨広幸氏がチーフコーディネーターを務め、去年はドライブラインの認定資格を持つダニエル・カタランが参加し、ドライブラインのバッティングドリルを希望する選手たちに伝えていた。 日本にいながら、日本では体験することのできない野球の考え方、指導法に触れることで大きく成長することができる。その可能性を強く実感したのが、初年度から選手を派遣しているトヨタ自動車硬式野球部・辰巳智大コーチだった。 「様々なバックボーンを持った選手たちが一同に集まることで、選手同士の交流が生まれ、野球選手としてだけではなく人としての豊かさが育まれる場所になっていると思います」 同じく初年度から選手を派遣しているHonda硬式野球部・甲元訓部長 兼 三事業所統括GMもこう付け加える。 「私自身としては、チームで選手を囲って育てるよりも、こういうオープンの場に出て行っていろんなことを経験することで選手の成長を促したい。海外の選手と交流をしたり、いろんな指導者の考えを聞くことで、おそらく選手は迷うと思いますが、迷うことによって思考が巡り、最終的には自分で判断して進む方向を決めていくことになる。そういう考え方の選択肢が増えるという意味で、すごくいい場所だと思っています」 野球との向き合い方が異なる選手たちと過ごす1か月で、選手としてだけでなく、人間的な成長も期待できる。それはNPB球団の選手たちにとっても同じだろう。当たり前に野球をやっている環境から、違った野球を感じることでそれぞれの選手たちが何を感じ、自分自身の糧としていくのか。 さらに今回、様々な野球の交差点とも言えるジャパンウィンターリーグに、野球に特化した生活を送るNPB球団の選手たちが加わることで、さらなる化学反応が生まれることを両氏は期待していた。 「試合のレベルは上がると思っていますし、その中で実戦経験を積めるというのは選手たちにとって大きなプラスになると思います。中にはやはりプロに行きたいと思っている子もいるので、目標とするプロ選手と1カ月野球ができることは、いろんな学びにつながるはずですし、対戦するだけではなく、同じチームになった時に中継などでは映らないベンチでの準備の仕方とか、そういう部分を知ることができるのはメリットだと思っています」(辰巳氏) 「プロアマを含めて、いろんな交流が盛んになるひとつのきっかけになるかもしれないと思っていますし、社会人とプロではやはり野球が違う部分もありますので、プロのレベルを直近で知るというのは、選手たちの成長にも絶対つながると思っているので、本当にいい機会だと思っています」(甲元氏)
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