ベスパはなぜ魅力的なのか? 日本製バイクでは得られないイタリアンな味を考える
今、125ccクラスのバイクが売れている。“原付二種”というカテゴリーで、原付並の手軽さとコストパフォーマンスの高さが魅力だ。いっぽう走りは小型二輪と遜色ない俊敏さで、その “いいとこ取り”が人気の理由。バイク好き俳優・駒木根葵汰(こまぎね・きいた)と元バイク雑誌編集長・カワニシが注目の125ccモデルにイッキ試乗し、その魅力を確かめる。最後はイタリアを代表するスクーター、ベスパのスモールモデル「プリマベーラ」に試乗した! 【写真を見る】ベスパ・プリマベーラの細部(15枚)
70年以上変わらないスチールモノコックボディ
河西啓介(以下、カワニシ):この「気になる125ccバイクに一気乗り!」で、いろいろなタイプの“原二”バイクに乗りましたが、最後は輸入車です。スクーターの代名詞的存在である、ベスパのプリマベーラ。ちなみにプリマベーラとはイタリア語で“春”を意味します。 駒木根葵汰(以下、きいた):ベスパ、おしゃれですよね! 「旧いベスパが欲しいなぁ」って思っていた時期もありました。旧いイメージを保ったまま、今の技術で作っているのがいいんですよね。クルマでいうと「ミニ」みたいな感じかな? カワニシ:確かに、そうですね。ベスパはイタリアのピアッジオ社によって開発され、1946年に最初のモデルが誕生しました。その頃から基本的なスタイルは変わらず、最大の特徴はスチールモノコックボディを使っている点。一般的なスクーターはパイプフレームの上に樹脂製のボディを被せているんですが、ベスパはボディ自体をスチール(鉄)製で、外装とフレームを兼ねています。それがあの独特のボディデザインを生み出し、ボディ剛性の高さと安定感の高い走りにも寄与しているんですね。 きいた:ずっと変わらないデザインが魅力ですよね。まさにスクーターの“ネオクラシック”。カラーもおしゃれだなぁ。ペパーミントグリーンに茶色のシートの組み合わせなんて、国産スクーターでは見かけないですよね。メッキパーツのキラキラ感も自然に馴染んでいて、誰からも好かれそうです。 カワニシ:デザインのおしゃれさについ目がいきますが、ベスパは機能面でも優れているんですよ。整備性に優れる片持ち式のフロントサスペンションはベスパの伝統だし、フロントブレーキは200mmの大径ディスクにABSも装備している。ライト類もデザインはレトロだけど、中身はLED化されています。