ベスパはなぜ魅力的なのか？ 日本製バイクでは得られないイタリアンな味を考える
スポーティな走りとしなやかな乗り味
きいた：ベスパ、初めて乗ったんです。実はこれまで50ccのスクーターしか乗ったことなかったので、めちゃくちゃ速くてちょっとビビリました！ 見た目の印象よりスポーティですね。 カワニシ：じつは今回、プリマベーラ125が用意できなくて、試乗したのは150ccモデルのプリマベーラ150なんです。とはいえ車体や装備は同じで、違うのはエンジンスペックのみ。125が最高出力10.5HP/最大トルク10.4Nm、150がそれぞれ12.3HP/12.7Nmとなっています。 きいた：150ccなら高速道路を走れるんですよね！ この小さなベスパが高速を走っていたら、周りのクルマがビックリしそうだけど。いっぽう125ccは税金や保険が安いというメリットがあるし、どちらを選ぶか悩みますね。 カワニシ：走行性能については、それほど大きな差はないと思います。タンデム（ふたり乗り）するとき、150のほうが、ちょっと余裕があるかなぁ、というぐらいじゃないでしょうか。 きいた：スタートダッシュは穏やかだけど、加速の伸びがよくて、気がついたら「あれ、スピードが出ている」という感じでした。エンジンのスムーズさにも感動しましたね。小排気量車にありがちな振動をほとんど感じませんでした。段差を超えたときにガツンと衝撃がくる感じは、「あー、スクーターだな」って思いましたけど。 カワニシ：12インチの小径ホイールなので、大きなギャップや段差は苦手ですね。とはいえ、ヨーロッパは石畳の道が多いので、ちょっとした凸凹はお手のものというか、上手くいなしていると思いますよ。 きいた：シートのクッションは、今回試乗した中でもいちばんよかったです。シートの厚みがあるぶん、思ったより着座位置が高いですね。僕は乗りやすかったですけど。
スポーツバイク並みのシート高、その理由
カワニシ：シートの高さは、日本とヨーロッパのスクーターでいちばん違うところなんです。日本のスクーターは総じて、足着きを重視するので低め。いっぽうヨーロッパのスクーターは運動性重視で、着座位置を高めにしています。プリマベーラのシート高は790mmでスポーツバイク並み。初めて乗るとふらふらする感じがするかもしれません。慣れてしまえばハンドリングはスポーティで、スピードを上げるとビシッと安定して走ってくれる。 きいた：僕はこれまで国産スクーターしか乗ったことがなかったので、かなり違いを感じましたね。機能面でも日本のスクーターはメットインスペースが大きいなど、実用性を重視している感じですが、ベスパのメットインスペースはちょっと小さめ。どちらも一長一短があって、あー、迷っちゃう (笑)。 カワニシ：今回、ホンダ「ダックス125」、「CT125ハンターカブ」、スズキ「GSX-R125」、そしてベスパとタイプの違う「原付二種」に乗りましたが（ベスパのみ150cc）、どうでしたか？ きいた：正直、見直しました。50ccを卒業したら250ccか400ccだ！ と、思っていましたけど、実は125ccって、走り、取りまわし、経済性のバランスが良いし、とくに都心で乗るには最適。人気の理由がわかりました。今回試乗したなかでいうと、個人的にはスーパースポーツモデルのスズキGSX-R125が欲しくなったかな。 カワニシ：これ以外にも、個性的な125ccモデルがいろいろ登場しているので、また乗ってみたいですね！
