名スカウトが選ぶドラフト1位指名すべき逸材
いよいよ明日17日、午後5時よりプロ野球ドラフト会議が都内のホテルで開催される。163キロ右腕の佐々木朗希(大船渡高)、甲子園準V投手の奥川恭伸(星稜高)、大学ナンバーワン右腕の森下暢仁(明大)の“BIG3”に1位指名の重複必至のドラフトと言われており15日にヤクルトが奥川、ロッテが佐々木の1位指名を公表した。だが、3人を射止められるのは3球団だけ。外れ1位、或いは、単独1位指名の戦略が重要になってくる。かつてヤクルトで名スカウトとして鳴らし、ヤクルト新監督の高津臣吾、楽天新監督の三木肇の2人を獲得した片岡宏雄氏に1位で指名すべき逸材をリストアップしてもらった。
社会人ナンバーワンは大型右腕の太田龍
かつての名スカウトは、「今年のような3人に偏るようなドラフトこそ外れ1位が大事になる。外れ外れ1位になると、厳しい補強に終わるので、即戦力にこだわらず、2、3年後を見据えた選手を1位で押さえるという戦略があっていいだろう」と、今回のドラフトを展望した。 片岡氏が“BIG3”の中で評価するのは奥川と森下の2人。佐々木に関しては「もし私がドラフト責任者ならあまりに未知数で怖くて反対する」という。 「奥川は、高校生でありながら即戦力に近く、伸びシロもある。マー君級だろう。即戦力ならば森下。間を持った投手。今年入った甲斐野や松本、上茶谷であれだけできるのならば森下にローテー投手としての計算は立つ」 投手で、次に評価するのは、社会人の太田龍(JR東日本)だ。都市対抗で最速153キロをマークした190センチと長身の本格派右腕。れいめい高時代から「九州四天王」の一人として注目されており、社会人で投球術を覚えた。 「大型のわりにフォームも含めて安定感があり体を上手く使いこなしている。社会人はムキになって自滅する投手が少なくないが、太田には、その傾向はなく、伸びシロも感じる。同じ社会人の上位候補の立野和明(東海理化)は、素材としては抜群だが、まだ球筋が安定しておらず、左腕の河野竜生(JFE西日本)もバッターのタイミングを外す独特のリズムで投げるが、プロで慣れられたらどうか。中継ぎタイプだろう。そう考えると社会人ナンバーワンは太田に思える」 注目しているのは、サイドハンドの津森宥紀(東北福祉大)。3年時に大学日本一となり最速は149キロで、シュート、スライダーで横の揺さぶりもできる。 「ソフトバンクの高橋礼のように各球団に一人はこういうタイプは必要。まだ下半身に粘りがなく、コントロールは荒れ気味だが、馬力がある。こういう投手はプロで体の使い方を覚えれば大きく化けるだろう」 西武に進んだ松本航の後を継いだ吉田大喜(日体大)、最速154キロを誇る右腕の宮川哲(東芝)という名前も、スカウトの間では挙がっているが、「吉田は、2段モーションを生かしきれていない。完成度はまだ低い。宮川は、私の好きなタイプだが、まだ安定感がなく、これからの選手という印象」という評価に留まった。