「屈辱」「暗黒期」 育成の場のはずが早期敗退で非難殺到 プレミア12・韓国野球代表
野球の国際大会「プレミア12」で日本代表が1次リーグB組を全勝で突破し、順調に連覇に歩を進めている。一方、同組で早々に敗退が決まったのが韓国だ。過去2大会はいずれも決勝進出を果たした「栄光の歴史」との落差だけでなく、近年は他の大会でも結果を残せておらず、国内では「屈辱」「崩れた希望」「暗黒期」など非難の声が上がっている。 【写真】台湾戦で才木の直球が連発した〝異常値〟に、台北まで足を運んだメジャースカウトは仰天 ■位置付けはWBCとロス五輪への強化 韓国はオーストラリアとの最終戦を戦う前日の17日に敗退が決まった。日本に続く2位で突破を決めた台湾との直接対決(台湾が6-3で勝利)が響いた。韓国は2015年の第1回大会で優勝、19年の前回大会は日本に敗れ準優勝だった。今大会は決勝進出を逃すどころか、2次リーグ進出すらかなわず、3大紙の1つである中央日報は「屈辱の日」と報じた。 敗退理由として指摘されるのは先発投手の低パフォーマンスだ。5試合で4人が起用され、5回まで持った選手はゼロ。打撃では25打点のうち、3番に入った21歳の金倒永(キム・ドヨン)内野手が10打点と気を吐いただけで頼れる4番打者は不在。投打で振るわないことに加え、直近の3回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で初戦を落として失速した教訓がありながら、今大会で最初に対戦した台湾に対し「アンダースローに弱い」という分析をもとに高栄杓(コ・ヨンピョ)投手を先発させて2回6失点を喫するなど采配のまずさも指摘されている。国民日報は「(好成績を残しても)兵役の恩恵がなく、選手の集中力が高まらなかったという指摘もある」と報じている。 韓国の報道によると、今大会の代表はほとんどが20代前半の選手で構成され、26年開催の第6回WBCと28年開催のロサンゼルス五輪に向けた「世代交代の作業過程」という位置付け。負傷や軍事訓練で複数の主力不在だった。柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督が「若手が経験を積めた」と成果を強調したように、今季国内リーグで38本塁打、40盗塁の金倒永は5試合で3本塁打を含む7安打、打率は4割1分2厘に達した。同じ21歳の右腕、朴英賢(パク・ヨンヒョン)投手が3試合無失点と抑えとしての地位を確立したように収穫もあった。 ■ふるわぬ国際大会での成績に焦り