韓国大騒動の風よけ? ロッテ移籍のウラ事情 ソウルの産業銀行跡地売却、国会で追及 話の肖像画 元プロ野球選手・張本勲<23>
ロッテ・重光、巨人・正力のオーナー同士が決めていることで、もうどうにもならない。正力オーナーの上にいた読売新聞の務台光雄さんのところまで話は行っている。重光オーナーも「張本をくれ、現役引退したら監督をさせたいんだ」って。もう決定事項でした。
《翌55年1月5日、東京・大手町の事務所で移籍受諾。自らの人生を「義理と信頼感で生きてきた」と形容し、「自分の意思を通すことは双方の球団を傷つける」が惜別の辞。ロッテ側にも事情が。当時、韓国政府は財閥を優先する経済政策を推進し、ソウルの産業銀行本館跡地を駐車場建設を理由にロッテに売却させる方針を示し、ロッテはそこに現在のロッテホテル新館と百貨店を建設した…》
当時、ロッテは国会で追及されていた。数年間は無税という約束で今のホテルを建てたと言われていたからね。それで大騒動になっていた。「張本は韓国では『張勲(チャンフン)』という名前があるらしい。(ロッテが)仲間に引き入れれば、(世間の)風当たりも薄くなるんじゃないかと思ったんじゃないのかな」と知り合いの韓国の有力者が言ってましたよ。「彼(重光オーナー)は賢いから、正力に頼んだんだろう」ってね。お互いに、いろいろあるんですよ。(聞き手 清水満)
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