年々早まる「ラン活」、新素材による多様化、6年間の思い出が「呪い」にも――令和のランドセル事情 #令和の親
そう語るのは、整理収納コンサルタントとして多数の著書を発表している本多さおりさん。自身も2人の小学生男児を育てる母親だ。 「そもそも『働いていないものは家にあってほしくない』という発想。限られたスペースを、モノに圧迫されたくありません。息子たちが小学校を卒業するまでに、ランドセルをどうするか、ランドセル終いについて最近考えるようになりました」 お守りや人形、子どもの作品など、捨てづらいもの、思いが強いものほど「早めの判断」を提案している。 「モノへの思いは、やがて呪いのようなものに変わっていきます。呪いにとらわれて、モノのために家賃を払う、または居住空間を狭められるのは、もったいない。とはいえ、すぐさまポイと捨てられないのもわかります。私は洋服や食器についても、判断に困ったら、いったん使っている収納からアウトさせ、別の場所で休眠させることを提案しています。時間が経ってから見てみると、驚くほど執着がなくなっているものです。すべてを残していくと、それらは人生のお荷物になる。時代の区切りで、家の中のものも編集していくべきだと思います」 ランドセルについては、あらかじめどう処分するかを考えておくことで“お荷物化”が防げるのでは、と本多さんは言う。 「大手SCやNPOを通じて、アフガニスタンやフィリピンなど、海外へランドセルを寄付するキャンペーンが行われることもあります。また、私の知人は、お子さんが中3になったときに、ランドセルをリメイクして財布を作り、お子さんが愛用しているそうです。名刺入れや犬の首輪、マウスパッドなど、実際に使えるものにリメイクするサービスもネットで探せばいろいろありますから、利用してみるのも手ですね。時期がきたら思い切って捨ててしまうという選択肢もありますが、私は寄付かリメイクのどちらかにしたいと考えています。もちろん、使っていた本人と相談して決めたいですね。ラン活の先にランドセル終いがある、そういう発想で、ランドセルと向き合う必要はあると思います」