最善か無か……中間か メルセデス・ベンツ 新型Eクラスが日本上陸
最初は淡いグリーンに塗られたE200アヴァンギャルドセダンとE220dステーションワゴンの二台に比較試乗する。E220セダンは894万円の車両価格に、デジタルインテリアパッケージ、レザーエクスクルーシブルパッケージ、アドバンスドパッケージ、サンルーフ、AMGラインパッケージなど264万円余りのオプションが付き、総額約1200万円。一方のE220ステーションワゴンにはさらに前述のオプションに加え16万円也のオプションホワイト塗装に塗られており、最終的に955万円の車両価格に251万円余りのオプションが加わり、約1206万円となっていた。
Eクラスのベーシックなモデルでも1200万円の時代であることに、いささか驚きを禁じ得ない。また両車ともAMGパッケージがついて(しまって)いるために、タイヤサイズは前245/45R19、後275/40R19 というフェラーリ テスタロッサよりも太いピレリPゼロを履いていてびっくりするが、とにかくAMGパッケージも、こういうタイヤサイズも今の主流で圧倒的な売れ筋だそうなので仕方あるまい。
本当にここまでのサイズと扁平率が必要なのか、とかAMGパッケージじゃなかったらなぁ、と文句と杞憂を持ちながら走り始めると、決して乗り心地などが悪くないことに気が付いた。走り始めはISGの効果もあり滑らかなヒト転がりだし、そのあとの加速感や乗り味はW213の延長線上にあるもので、そういう意味では決して逸脱も裏切りもない順当なモデルチェンジといえる。
200と220dを比較するならば、ディーゼルエンジンの荒さやうるささとは無縁のまま、人肌のぬくもりのようなものを感じさせる220dの方が個人的には好みだが、エンジンの存在をできるだけ消そうと控えめにしつらえられた200も、おそらくエンジンなどが軽い影響か(セダンとステーションワゴンというボディの差もあるとは思うが)、より一層滑らかな乗り味と自然で軽いハンドリングのようにも感じられたし、とにかく普通にのっている限り、なめらかでどこにも角がないような雰囲気を持っていることでは200もなかなか捨てがたい。