最善か無か……中間か メルセデス・ベンツ 新型Eクラスが日本上陸
その2台に続いて試乗したのは、プラグインハイブリッドモデルである350e スポーツエディションスターセダン(名称が長い)。こちらにも車両価格の9,880,000円にデジタルインテリアパッケージ(404,000円)、ドライバーパッケージ(409,000円)、レザーエクスクルーシブルパッケージ(759,000円)アドバンスドパッケージ(616,000円)、リモートパーキングアシスト(155,000円)のオプション(総額2,343,000円)が加わり12,223,000円である。タイヤは前が245/40R20、後が275/35R20とインチがさらに大きくなミシュラン プライマシー4を履いている。センターの木目の使い方からか、より上品に感じられる室内に収まり、各種のアメニティをできるだけ消し、ハイブリッドモードを選択して走り出す。
車重がE200 に比べ300㎏ほど重く2210㎏となることと、E350 eは装備されるエアマチックサスペンションの相乗効果なのか、最初に感じたのはE200 やE220dと比べてもより滑らかで静粛性が高く、重厚な走りであるということであった。通常はEVとして走行し、必要に応じてエンジンはかかるものの、その境目もまったく違和感がないし、システム総合で312馬力もあるのだから、ちょっとぐらいその気になって走行しても不足を感じるシチュエーションはまったく感じられなかった。
もちろん軽快な200も人肌のぬくもりの220dも捨てがたいが、W123やW124のあの感じや、しなやかでなおかつ重厚さがより感じとれるのは、この350eなのではないかと思う。結局3台のEクラスの中で、メルセデスライドと呼ばれる乗り味に近いのはこのモデルである、という感慨を抱いた。
EVモードでの航続距離も110㎞というから、毎日の使用ではほぼ問題ないし、ある程度の通勤距離ならば家庭での充電で事足りるところまで来ているといえよう。ただし、ヨーロッパ車のプラグインハイブリッドモデルは信頼性の問題を抱え、トラブルになった場合驚くほどの修理費用が掛かると伝え聞く現在、もろ手を挙げてハイブリッドシステムのヨーロッパ車を薦めるわけにもいかないが、もし信頼性の問題がなくなったのであれば積極的に選んでもよいと思うほど350eの完成度は高かった。