最善か無か……中間か メルセデス・ベンツ 新型Eクラスが日本上陸
その一方で現行CクラスであるW206は、なんとなく未完成というか煮込み不足で、これならひとつ前のW205の最後期型を走行距離の少ないモデルでも見つけて買ったほうがお得で良いのではないか、と思うモデルであった。もちろんW206も特別に悪いダメ車という意味ではないし、今後じっくり詰めていけばきっといい感じのメルセデスライドにはなるとは思うのだが、現時点では特に大幅に上昇した価格を考慮すると、あえて今買わなくてもいいかな、というのがW206 に関しての個人的な気持ちである。
では今回の新型EクラスであるW214はそのどっち寄りなのか、それがとにかく問題であり気になることなのだが、まずディメンションに関しては(セダン比で)全長が20㎜大きくなり4960㎜に、全幅が30㎜大きくなり1880㎜に、全高もついでに?15㎜大きくなり1470㎜となった。
ここまで大きくなったのならさらに全高をあと30mmくらい上げてAピラーをぐっと立てて乗降性をめちゃくちゃ良くしたらいいのに、と馬鹿なことも思ったがそういう車は時代遅れなのだろう、きっと。とにかく全長はもうほぼ5メートルとなったし、幅も日本の国内で使うにはギリギリ以上の大きさになったことは間違いない。
そんな大きなボディを動かすパワーユニットは基本的に2リッターの4気筒エンジンで、今回はその中からガソリンエンジンにISGが組み合わされたE200、ディーゼルエンジンにISGが組み合わされたE220d、そしてプラグインハイブリッドモデルのE350eの3種類に試乗することとなった。プラグインハイブリッドモデルはセダンのみだが、200と220dはステーションワゴン(S214)も選ぶことができる。
乗り込む前に車輛を一周すると、グリル周りの黒いピアノブラック処理が、日本人にはつい「泥棒ひげ」を連想させるし、スリーポインテッドスターが浮かびあがる処理のテールランプなどが本当にEクラスにふさわしいかどうかはちょっと疑問ではあるけれど、それ以外の印象はシンプルでなかなか好ましいことに気づく。それでもステーションワゴンのDピラーはさらに「スタイリッシュに」寝かされたというから、こてこて実用性路線というわけではないが、そういうお洒落番長モデルはCLSやシューティングブレークに任せて、Eクラスはもっともっと実用に振ってほしい、と個人的には思う。