天皇陛下とアフリカ 子どもの頃からの“親しみ”【皇室a Moment】
当時9歳の愛子さまが手元で楽しまれているのは、アフリカの国々の形がピースになった木のパズルです。陛下のケニア訪問のお土産ですが、愛子さまはとても気に入って、国々の名前や形を覚えて楽しまれたそうです。
■天皇の訪問がまだないアフリカ
こちらは9年後、高校3年の愛子さまの地理の宿題を陛下が手伝われているシーンですが、テーブルの上に地球儀とともに置かれているのが同じパズルです。 この年、「アフリカ開発会議」が横浜で行われ、愛子さまは宿題のテーマにアフリカを選ばれたそうです。陛下の話を聞きながら、思い出のパズルを前に、何かまとめられたんだろうと思います。 ――陛下が思い出の品としてお土産で買われたということも素敵ですし、愛子さまがこういうふうに節目節目で見ていらっしゃる姿もなかなか素敵ですね。 こうしたエピソードがあって、大統領は愛子さまに「ぜひケニアへお越し下さい」と招待したんだろうと思います。
皇后さまもかつて国連大学でよくアフリカ関連の講演を聞かれていて、当時の側近からアフリカに強い関心をお持ち、と聞いたことがあります。 上皇ご夫妻は皇太子時代に3回、エチオピアやケニア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)など6か国を訪問されていますが、天皇皇后になってからはありません。天皇のアフリカ訪問は一度もないんですね。
アフリカは遠く、気候が厳しく、風土病の予防接種などが欠かせない国も多く、訪問はなかなか難しいかもしれませんが、両陛下のご関心の強いエリアですので、外国訪問が本格化して実現する機会を楽しみにしています。 ――きょうの井上さんのお話とVTRを見ていたときに、やはり天皇陛下も皇后さまも愛子さまもアフリカにそれぞれの思いを強くお持ちなんだなと思ったんですが、愛子さまは日本赤十字社に勤められますので、今後「ご家族で…」「愛子さまが…」という訪問も楽しみにしたいですね。 そんな機会があったらいいですね。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)