筑波大が堂々のインカレGL首位通過!! 8強でまさかの明治戦へ…3連戦フル稼働の福井主将も闘志「俺たちのほうが絶対に勢いがある」
[12.18 インカレ決勝ラウンド第3節 九州産業大 1-5 筑波大 ミクスタ] 第73回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は18日、決勝ラウンドのグループリーグ第3節を行い、ミクニワールドスタジアム北九州の第2試合では筑波大(関東2)が九州産業大(九州1)を5-1で破った。グループ唯一の2勝1分無敗でベスト8入り。22日の準々決勝では、関東大学リーグで優勝を譲る形となった明治大(関東1)とのリベンジマッチに挑むことが決まった。 【写真】「可愛すぎ」「佐々木大樹のモノマネ?」乃木坂46五百城茉央さんがオフショット公開 第1試合の結果を受けて、筑波大は引き分け以上で首位通過が決まるという一戦。それでも前節・大阪体育大戦(△0-0)では攻撃陣のターンオーバーを敢行し、うまくリズムが作れずにゴールを奪えなかったという中、この日はフレッシュな選手たちが2日前の鬱憤を晴らすような展開に持ち込んだ。 序盤の筑波大は開始2分にMF佐々木裕涼(1年=市立船橋高)のミドルシュートをGK佐藤瑠星(3年=大津高)がなんとか阻むピンチを作られたものの、その後は4-4-2のシステムでMF加藤玄(3年=名古屋U-18/名古屋内定)とMF徳永涼(2年=前橋育英高)のダブルボランチが一手にゲームメイクを担い、両サイドバックを高く張らせながら一方的に押し込む攻撃を展開。クロス攻勢で相手の守備陣に圧力をかけていった。 すると前半18分、ついにこじ開けることに成功した。加藤の縦パスを起点にFW半代将都(4年=大津高/熊本内定)とMF清水大翔(1年=C大阪U-18)の2トップがテンポ良くつなぎ、左サイドに展開すると、MF角昂志郎(4年=FC東京U-18/磐田内定)が戻したパスをDF安藤寿岐(3年=鳥栖U-18)が受けて右足一閃。グラウンダーのシュートをニアポスト脇に突き刺した。 さらに筑波大は前半28分、ペナルティエリア左に抜け出した清水がスルーパスを受けてクロスを送ると、これに反応した右SBのDF池谷銀姿郎(2年=横浜FCユース)が冷静に相手をかわし、左足で流し込んで追加点。また同31分にはカウンター気味にMF廣井蘭人(2年=帝京長岡高)が右サイドに抜け出すと、クロスに角が右足で合わせ、瞬く間に3-0とした。 引き分けという突破条件をも意に介さないゴールラッシュ。主将のDF福井啓太(4年=大宮U18/大宮内定)は「負けたら敗退の可能性もある中でも、チームとして(引き分けを意識するのではなく)とにかく勝ちだけを目指すというところで入れたこと、そこにチーム一丸となって頭を揃えて入れたことがよかった」と胸を張った。 その後は九州産業大が前半だけで3回の選手交代を行ったことで、途中出場で入ってきた九州産業大MF平古智也(2年=興國高)の打開力に手を焼く場面もあり、同37分にはMF森寧樹(2年=富士市立高)のクロスをGK佐藤が弾き切れず、こぼれ球をDF岩崎海駕(1年=清水ユース)に叩き込まれて今季初の失点を喫してしまう。 だが、筑波大はそこで崩れない。後半10分、廣井の右CKが2度続いたところでファーサイドにボールが渡ると、ブラインドになったMF曽我寛人(3年=大津高)のオウンゴールを誘って4点目。さらに同11分には相手のバックパスに抜け目なく詰めた角が冷静にGKとの駆け引きを制してネットを揺らし、5-1とした。 その後は筑波大が選手交代を次々に行い、ややテンポを落としたことで、九州産業大のMF飯星明良(4年=熊本ユース/熊本内定)、MF菊地雄太(4年=東海大熊本星翔高)を中心とした細かいパスワークで侵入される場面も続いたが、インカレ初出場となったDF津村岳杜(4年=昌平高)ら控え選手も守備に奮闘し、追加失点は許さず。最後はエースのFW内野航太郎(2年=横浜FMユース)も今大会初出場で試運転が完了し、堂々のC組首位で準々決勝進出を決めた。 8得点1失点の得失点差+7の結果は全グループの中でもトップ。福井は「3試合通して本当は失点ゼロで行きたかったけど、最小失点で抑えられたのはチームとして良かった。攻撃も3試合で8得点ということで、自分たちは大臣杯で攻撃力に課題があったので、バリエーションの多い得点が取れているのはチームとしてプラスだと思う」と前向きに語った。 そんな福井自身の奮闘も目立つグループリーグだった。中1日の3連戦という厳しい日程のなか、GK佐藤、DF小川遼也(2年=富山U-18)と共に全試合フルタイム出場。「自分はこの九州ラウンドで3試合フル出場する、ピッチの中でチームを支えることを心がけてやってきた。どんな試合状況になってもチームに対する声かけ、振る舞いを気にかけようと思った」。それは選手として苦しい立場になっている時も同様だった。 第2戦の大阪体育大戦では0-0で迎えた後半立ち上がりにPKのチャンスを獲得し、福井がキッカーを務めたが、力強いキックはGKがセーブ。コースは甘くなかったため、相手GKを褒めるしかないシーンであったのは事実だが、結果としてはこの決定機逸がドローの一因となっていた。 それでも福井は「PKを外してすごく責任を感じていたけど、そこでうろたえるのではなく、それを活力にやっていこうという気持ちで入った」という強いメンタリティーを堅持。またチームメートも同様なくその姿を受け入れ、福井のリーダーシップに強固な信頼を置いている様子を感じさせていた。 そうしたチームの成熟ぶりも感じさせる今季最後のインカレ。しかし、筑波大には思わぬ試練が襲いかかっている。 優勝候補の筆頭と目される関東リーグ王者の明治大が今大会、A組で思わぬ苦戦を強いられ、1勝2分で辛くも2位通過。その結果、筑波大は首位通過を果たしたにもかかわらず、22日の準々決勝では最も厳しい明治大とのカードを引いてしまったのだ。 早くも8強で実現する関東頂上決戦のビッグマッチ。とはいえ最終盤のPKストップでなんとか生き残った明治に比べると、グループリーグで堂々の首位通過を果たした筑波大のほうがチーム状況は上向きとも言える。福井も「本当は決勝でやりたかった」という思いを口にしつつも、ここでの対戦を「逆に楽しみ」と前向きに受け止め、臆せずに向かっていく姿勢を強調した。 「遅かれ早かれ明治を絶対に倒して終わりたい、優勝したいという気持ちがあったし、意識しないと言ったら嘘になる。明治にはこの1年間、いろんな戦いをして1勝1分1敗で来ているので、ここでどっちが本当に強いのか。リーグ戦では自分たちが目標としていた優勝が明治に行って、自分たちは優勝したところを横で見ていた悔しさを全員が忘れていない。俺たちのほうが絶対に勢いがあるし、いい戦いができているので、何が何でも勝ちます」。今大会最注目とも言えるビッグマッチは3日後。すでにボルテージは上がっている。
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