ディープインパクト産駒が積み上げてきた偉大な最長記録「13」。ラストチャンスを阻む最大の敵は、父の背中を唯一知る武豊【有馬記念】
12.22 第69回有馬記念
ラストチャンスで戴冠なるのか。 12月22日に中山競馬場で今年の中央競馬の総決算「第69回有馬記念(GⅠ・芝2500m)」が行なわれる。なかでもディープインパクト産駒が昨年まで積み上げてきた、ある大記録が継続なるのか、にわかに注目されている。 【動画】「最後の衝撃!」有馬記念で有終の美。ディープインパクトのラストラン 2024年の中央競馬も中山と京都で21、22日、28日の3日間を残すのみとなった。栄枯盛衰の競馬界において、実は”異常事態”が発生している。かつて、当たり前のようにGⅠ馬を輩出してきたディープインパクト産駒が、今年はまだGⅠ勝利を手にしていないのだ。 地方での開催を除き、ディープインパクト産駒はこれまで中央GⅠを72勝、そして11年から23年まで13年連続でGⅠを制覇した。昨年はドゥラメンテにトップを譲ったが、12年から22年まで11年連続リーティングサイアーに輝き、父サンデーサイレンスの後継種牡馬として、今日の日本競馬界において確固たる地位を築き上げた。 だが、今年は延べ14頭が走り、最高着順は5月のヴィクトリアマイルでフィアスプライドの2着。あとは4着が2回、5着が1回と、あと一歩のところで勝利を逃している。 はたして、ディープインパクト産駒は史上最長タイの14年連続中央GⅠ制覇を達成できるのか。ラストチャンスの命運は以下の3頭に託された(18日時点の出走予定馬)。 ジャスティンパレス(牡5歳/栗東・杉山晴紀厩舎)の初のGⅠ制覇は昨年、父親も勝ったことがある天皇賞(春)だった。それ以降は勝利からは見放されているが、GⅠの舞台は3走前の宝塚記念を除けば、6戦して2着=1回、3着=1回、4着=3回、5着=1回と掲示板は外していない。ここ2戦はドウデュース(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)の強さに屈しているが、前々走の天皇賞(秋)は直線でスムーズさを欠きながら0秒3差。前走のジャパンカップも超スローペースのなか、しぶとく脚を使って0秒5差に迫っている。相手は強敵だが、付け入るチャンスはある。 プログノーシス(牡6歳/栗東・中内田充正厩舎)はGⅠ未勝利だが23、24年の金鯱賞と札幌記念のGⅡを3勝している。また、海外の強豪が集ったG1クイーンエリザベスII世カップ(香港)、10月の豪州G1コックスプレートでともに2着と地力があることを示しており、ビッグタイトル奪取まであと一歩のところまで来ている。デビュー16戦でオール5着以内という堅実な走りも魅力的だ。初距離がGⅠ制覇のカギとなりそうだが、今秋叩き2戦目で気配は上々だ。
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