「スイングはゴルフの一部でしかない」石川遼はもがき続けて次週33歳に
◇国内男子◇ANAオープン 最終日(15日)◇札幌GC 輪厚C(北海道)◇7066yd(パー72)◇曇り(観衆3532人) 【画像】女子下部ツアー新記録「60」で圧勝 32歳でプレーした最後のホールで笑顔がこぼれた。最終18番、8mのスライスラインを流し込んだ石川遼はバーディフィニッシュに両手を高く上げた。「崩れずに、耐えることはいつも求められる。きょうはそういう日だった」。初日から3日目まで「70」と上位を争うには物足りないアンダーパーを並べ、日曜日は「72」。通算6アンダー44位で終えた。 小雨が降りしきるコンディションで、前半9ホールのうちフェアウェイキープに成功したのは4番だけ。右サイドに流れるショットが多く、225ydの8番(パー3)では「それを利用して」、第1打をピン右4mの狭いエリアを攻めてバーディを奪った。 初日からフェースの芯でボールをとらえ切れず、週末は「右、左…と交互に来るよりはOKにしていた」と右方向へのミスには寛容に構えていた。「良い意味でも、悪い意味でも出球がそろっていた。今まで結構できなかったこと。瞬時に直そうとすると、バッファ(幅)が広くなりすぎてしまう」
先を見据え、修正を過度にせず「タイミングを自分の中で固めていく作業」を続けたという。「そういう意味で、10番で左に曲げたのが一番悔しい」。後半の入り口で1打目を左ラフに打ち込んでボギー。許容範囲を広げても、完ぺきとはいかないから難しい。 週明け17日(火)に33回目の誕生日を迎える。32歳の1年は、今年6月「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」で1勝。「優勝もあったが、今も“まだまだ”の状態。この一年は正直、自分ではキツイこともつらいこともあった。自分の弱さを感じる瞬間を受け入れて、どう強くしていくか向き合う期間があった」と振り返る。 スイングの大幅な再構築をはじめて4年あまり。「スイングの外側が良くなってきたときに、自分の内面とも向き合わなきゃいけない。満足できるスイング(の形)はできているが、スイングはゴルフのほんの一部でしかないと改めて感じている」。こだわり続ける体の動き、クラブの動きの改善は、最も大事なスコアメークの手段の一つ。「今まで散々(スイングで)悩んできた。次に悩むのは内面的な部分なのかなと思う」と次の段階に進みつつある。 次週は「パナソニックオープン」(兵庫・有馬ロイヤルGC)。「1日単位で見ると、悪くなることがあって、もどかしさを感じる時もあるが、1年経つと前よりも良くなっていると感じる。33歳の一年もそういう風にしたい」と次の覚悟を決めた。(北海道北広島市/桂川洋一)