6人の子どもを育てる右腕が不自由なママ。自身の「分娩まひ」の経験から帝王切開の選択を【体験談】
第四子から帝王切開に。子どもの健康を思ったものの、産後は後悔も
――6人の子どもたちの出産はいかがでしたか? SUZU 最初の3人は経腟分娩で、4人目から帝王切開での出産になりました。5人目、6人目も帝王切開です。 4人目のときは、陣痛が2~3日続きました。1分間隔で陣痛があっても、なかなか出てこなかったんです。この子は、おなかにいるときから、「大きい子かもしれない」と言われていました。胎児が大きいと、出産時、トラブルに見舞われる可能性があります。私自身も4980gで生まれ、出生の途中で母の体に右腕がひっかかってしまいました。そのせいで分娩まひとなり、右腕が動かなくなりました。 経腟分娩にこだわって、子どもに私と同じように障害が残ってしまうのは絶対に嫌でした。安全と健康を優先し、帝王切開で出産することにしました。4人目の長男は3600gで無事に生まれてきました。 そのときは帝王切開に対するためらいはまったくありませんでした。 ――SUZUさん自身の分娩まひが、帝王切開の選択につながったのですね。 SUZU そうです。ところが、産後はホルモンバランスが不安定になったためか、帝王切開で産んだことをとても後悔してしまったんです。「もうちょっと頑張れたんじゃないかな」と考えてしまって…。帝王切開は決して楽なものではありません。産後の回復も遅いし、手術で切ったところも痛いです。それに、その後の出産回数も制限されてしまいます。まだ若かったから、もう少し子どもをたくさん産めたかもしれないなというようなことも思ってしまいました。 当時は落ちこんでいたのですが、夫にもじっくり話を聞いてもらい、子どものお世話をしているうちに「経腟分娩でも帝王切開でも子どもが安全に生まれてくれたらどちらでもいい」と思うようになりました。 いろいろ調べてみたら、理由はさまざまでありながら帝王切開で出産したママたちは、私と同じように「経腟分娩で産めばよかった」とモヤモヤしてしまう人が多いように感じました。 でも経腟分娩で、私のようにまひが残ってしまう場合もあります。だから、帝王切開を選んだママたちには「赤ちゃんと自分の健康を守った、正しい選択だったんだよ」と伝えたいです。