魂の底から沸き起こる満ち足りた希望──『若草物語』に続く超絶主義の系譜
【メモ】エイモス・ブロンソン・オルコット(1799~1888)哲学者・教育者 コネティカット州ウォルコットの農家に生まれた。独学で読み書きを学び、若いころから生涯、自分の考え・体験を日記に書き続ける。子どもには知識の詰め込みではなく、良い環境で学ぶことが大事、という教育を実践。当時は進歩的な取り組みがなかなか受けいれられず経済的に苦労するが、のちにマサチューセッツ州コンコードで教育長を勤めるなど、超絶主義思想の哲学者として評価された。1879年には長年の夢だった米国成人教育のはしりとなる「コンコード哲学学校」を開校。そこではエマーソンの講演やソローの日記の朗読があり、ヨーロッパからも参加者が訪れるなど、成功をおさめた。 ルイザ・メイ・オルコット(1832~1888)作家・ブロンソンの二女 ペンシルバニア州生まれ。子ども時代からソローや、また父の友人であったエマソンらと交流があり、超絶主義思想に触れる。1868年に半自伝的な4姉妹の物語『若草物語(英語名:Little Women)』を執筆。このシリーズの大成功によって、父ブロンソンの崇高な教育実践を支えるために、金銭的に苦労していた家族を救うことができた。影響の強かった父の死を追いかけるかのように、ブロンソンの死の2日後、55歳で亡くなった。